中国と韓国がインフラ投資加速しインドネシアへ急接近
中国と韓国がインドネシアの大型インフラ整備事業への投資を加速し、貿易拡大を目指して、ともにインドネシアへ急接近している。インドネシア経済にとって、これまで歴史的に日米の存在が大きかったが、中国・韓国が猛追し、その存在感を発揮しつつある。
10月上旬にインドネシアおよびブルネイで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議、21カ国・地域)首脳会合、TPP(環太平洋経済連携協定、12カ国)首脳会合、さらに東アジア首脳会議(18カ国)の後、改めてジャカルタを訪問した韓国のパク・クネ大統領は12日、ユドヨノ大統領と会談し包括的な経済連携協定(EPA)の年内妥結を目指すことで一致した。そして貿易額を2020年に12年比で3.7倍の1000億㌦(約9兆5600億円)に増やす目標も確認した。
中国の習近平国家主席もユドヨノ大統領と会談し、15年の貿易額を800億㌦に引き上げることで合意した。16日から9年ぶりに建設工事が再開されたジャカルタのモノレールやパルプ工場の建設など、計282億㌦の事業協力を巡る契約文書に調印した。
そして、中国とインドネシア首脳会談の共同声明は、地域統合で、日中韓やASEAN(東南アジア諸国連合)など16カ国が参加する東アジア包括的経済連携協定(RCEP)が重要な役割を持つ-と明記された。米国が主導するTPPを警戒する中国の意向が強く働いたものとみられている。
12年のインドネシア貿易額をみると、日米の合計は794億㌦、中韓の合計は781億㌦。そして今年1~6月は中韓が日米を14億㌦上回っている。