露天商の市場への移転進むが、廃業する店主も続出
ジャカルタ特別州で問題を積み残したまま、大通りからの露天商の仮設店舗撤去および、伝統市場への移転が進められている。同州は11月13日、大通りでの営業で交通渋滞の原因になっている露天商843人を、南ジャカルタ・パサールミングの伝統市場へ移転させた。州公社によると、市場周辺には露天商1114人いたが、州が伝統市場への入居を募ったところ、843人が応じた。ただ、空きテナントがあり、まだ募集を続けるという。
同州のジョコウィ知事が、深刻化するジャカルタの交通渋滞の防止策の一環として進める露天商の伝統市場への誘導・移転策は、当該事業者にとって多くの問題を内包していることは間違いない。というのは、移転先のビルは、伝統市場として改修される前は入居者がいない状態だった。しかも、買い物客が足を向けたがらない2階以上にある。客商売の店舗の立地としては極めて難しい条件にある。
今回の南ジャカルタに先行して進められた中央ジャカルタ・タナアバンでの露天商移転の場合も、入居先がビルの2階で予想通り客足が悪く、州による助成を受けているにもかかわらず、廃業する商店主が続出している。ジョコウィ知事は、伝統市場に入居する零細個人商店主らが競争力をつけるべき、それしか根本的な解決策はないとの考えだ。この考え方のもとに、州内35カ所の伝統市場を改装、近代化するとしている。ジャティヌガラ、クバヨランラマなどでも現在、露天商の仮設店舗の撤去作業が進められている。