対策が後手に回り首都圏の低所得層向け住宅不足が深刻化
不動産価格の近年の高騰に伴い、対策が後手に回り、ジャカルタ首都圏における、とりわけ低所得者向け住宅不足が深刻化している。インドネシアではスハルト政権時代から低所得者向け住宅供給策として、高級住宅1戸につき中級住宅3戸、安価な住宅6戸の建設を不動産開発業者に義務付ける「1・3・6規制」を実施。しかし、同政権崩壊後、この規制は形骸化し、不動産開発業者は採算効率の良い、郊外型大型ニュータウンの開発を進めるとともに、高級住宅の販売を進めた結果、安価な住宅の供給不足が表面化した。
ユドヨノ政権後は2012年までに低所得者向け集合住宅を全国で1000棟(約60万戸)を建設する計画に着手した。このうち首都圏には600棟ほどを建設する計画で、規制緩和を実施し、民間の参入を促したが、運営や維持の面で問題になっている。ジャカルタ特別州のジョコウィ知事も目玉政策として、集合住宅の建設を進めているが、効果が目に見えるようになるには数年かかりそうで、状況は変わりそうにない。