主要都市の14年の最低賃金2割高で決定 労働者は不満

主要都市の14年の最低賃金2割高で決定 労働者は不満
 インドネシアの主要都市で2014年の最低賃金が決まった。首都ジャカルタ郊外で日本企業の製造拠点が数多く集まる西ジャワ州は13年比で20%超の引き上げとなった。全国的に50%の引き上げを求めてきた労働者団体は不満のデモで応酬。まだ、労働者の間では憤懣の思いがくすぶっている。ただ、経済成長が減速する中、今年に続く引き上げ幅でのコスト負担が増す企業の業績悪化は避けられない情勢となっている。
 トヨタ自動車など100社以上の日系企業が集中する西ジャワ州カラワン県の月額の最低賃金は、前年比で22%高の244万7450ルピア(約2万1000円)で、全国の州や県で最高だった。カラワン県は業種別賃金も定めている。自動車や二輪車のメーカーは281万4590ルピアとなり、12年からの2年で84%もの上昇となる。日系企業のすべての企業が最低賃金で採用しているわけではないが、影響は避けられない。
 西ジャワ州ではカラワン県と同様に日系メーカーが多いブカシ県で22%、プルワカルタ県が24%、バンドン市では30%上昇した。ジャカルタ特別州は、前年比の上昇率が今年の44%から14年は11%に鈍化するが、金額は244万1301ルピアと高水準だ。日系家電メーカーは14年も上昇率が15%を超えたら業績は危機的状況になっていた-と不安を隠さない。
 インドネシアの最低賃金は地方政府と企業、労組の3者の合意に基づき決定し、毎年1月に改定するしくみだ。すでに全34州で決定した。ジャカルタ特別州は13年比で68%高を要求する労組連合が、回答が要求とは大幅な乖離があったことで州政府・労組・企業の審議会出席を拒否したため、州知事が労組抜きで最終決定している。