見切り発車の国民皆保険1月導入に各所から批判の声
インドネシアで2014年1月1日に設置予定の社会保障機関(BPJS)が実施する国民皆保険制度に対し、民間保険からの移行など詳細が未確定のまま”見切り発車”しているとの批判が出ている。医療サービスを施す私立病院、福利厚生で自社社員に保険を供与してきた民間企業からは、困惑の声も上がっている。
経営者協会(アピンド)のアディトヤワルマン副会長は12月18日、「経営者たちは民間保険と協力しながら社員に保険を提供している。政府は皆保険への移行詳細を詰めないまま、どう進めるつもりなのか」と強い懸念を表明。2014年1月の皆保険開始を疑問視し、民間企業による制度参加を2年間延期するよう求めている。
インドネシア大学のハスブラ・タブラニ教授(公衆衛生)によると、参加を表明した1040病院のうち、私立病院は一つもない。保険加入者の治療に掛かる費用が不透明なのが理由で、政府は私立が率先して参加できる制度を整えるべきだと訴えている。