アジア・オセアニア日系企業へジェトロSMEJ講演会

アジア・オセアニア日系企業へジェトロSMEJ講演会
 日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所は1月29日、在インドネシア日本大使館や中小企業連合会(SMEJ)との共催で講演会を開いた。ジェトロ・ジャカルタ事務所の富吉賢一所長は、2013年、アジア・オセアニア地域の日系企業を対象に実施した実態調査の結果を紹介し、東南アジア諸国連合(ASEAN)日本政府代表部の伊藤恭子臨時大使は、15年の経済共同体(AEC)設立を目指すASEANへの日本政府の支援策を解説した。じゃかるた新聞が報じた。
 富吉氏はジェトロが13年10~11月、東南アジア諸国や中国、韓国、豪州など20カ国の9371社を対象に実施、4561社から有効回答を得た「在アジア・オセアニア日系企業実態調査」のデータを基に、インドネシアにおける日系企業の動向について分析。13年はインドネシアの日系企業の黒字が64.8%(12年は約8割)にとどまり、2年連続減少した。ルピア安や人件費の急激な上昇がその要因。その結果、内需型企業の黒字企業率が67.3%まで減少し、輸出型企業の黒字企業率(63.2%)に肉薄した。
 賃金の前年比ベースアップ率は対象国中、最も高い24.7%(12~13年度)、17%(13~14年度)だったが、ルピア安が影響し、ドルベースで比較した製造業の基本月給では11位(234㌦)だった。ただ、今後1~2年の見通しについては66.4%の企業が事業を拡大すると回答しており、富吉氏は「インドネシアの魅力は変わっていない」としている。
 伊藤氏は、連携強化を進めるASEANの実態を広く知ってもらおうと各国の概要を解説したほか、連携強化の具体例や日本の支援について説明した。日本政府は5年間で約2兆円を提供する政府開発援助(ODA)や、約1億㌦を追加した日ASEAN統合基金(JAIF)を通じ、主にインフラ整備事業に協力している。