国交省がジャカルタ~シンガポール間でRORO船
日本の国土交通省は2月21日、ジャカルタとシンガポール間で車両を自走で積み込める貨物船「RORO船」を利用した試験輸送を2月中に実施すると発表した。まず23日に、貨物を積み込んだシンガポール籍のトレーラーを高速RORO船に入れ、同国を出港。25日には北ジャカルタのタンジュンプリオク港に入港し、ジャカルタ市内に配送する。また、3月半ばにはジャカルタからシンガポールへ、同様の試験輸送を行う。
東南アジア諸国連合(ASEAN)で物流の連結性を高めるのが狙い。日本の質の高い物流システムを域内で展開することを後押しする。ASEANでの海陸一貫輸送システムを構築する実証事業の一環。委託先の日本通運が主体となって2013年10月から調査を実施しているが、今回は実際に貨物を輸送する。シンガポールとインドネシアは域内でも貨物輸送量が多いこともあり試験区間に決めた。NNAが報じた。
RORO船での貨物輸送は空路よりも大幅に低コストで二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないほか、コンテナ輸送よりも港湾での滞留期間が短いという利点がある。国交省によると、国際的な主要港湾間で貨物専用のRORO船を運航している例はないという。