航空各社をルピア安が直撃 輸入燃料と競争激化で苦境に

航空各社をルピア安が直撃 輸入燃料と競争激化で苦境に
 輸入燃料に頼るインドネシアの航空各社が、通貨ルピア安で苦境に陥っている。現在、インドネシアでは16社もの航空会社が乱立、格安航空会社(LCC)との競争激化もあって、各社の収益力は急降下している。こうした状況に追い打ちをかけたのがルピア安だ。
 2013年のルピア相場は対米ドルで2割以上も下がった。ジェット燃料を輸入に頼る同国ではルピア安による燃料調達費上昇のダメージは極めて大きい。コスト急騰を受け、シンガポール系のタイガーエア・マンダラ航空は2月以降、国際線を中心に9路線を順次運休する。また2路線で便数を削減するという。国営ガルーダ・インドネシア航空は2013年12月期の純利益が前年同期比で9割減の1120万㌦(約11億4700万円)に落ち込んだ。過剰債務を抱えて経営危機に陥っていた国営ムルパティ航空は1月、全便の運航を停止している。
 政府は2月末、燃料価格の変動に応じて運賃に加算できるサーチャージの導入を認めた。航空会社の収益悪化に歯止めをかけるためだ。インドネシアの主要26空港の年間発着数は13年に130万回を突破、5年間で1.5倍となっている。安定した需要の伸びがあるだけに、各社は路線の再編、効率化などとともに、今回のサーチャージの導入を業績の回復につなげたいところだ。