中銀による業務停止処分はルピア安進行の阻止が狙い
業界筋によると、インドネシア中央銀行が輸出企業20社を、輸出で稼いだ外貨収入を半年以内に国内銀行に預けることを義務付けた規則に従わなかったとして業務停止処分にしたのは、ルピア安進行の阻止が狙いとの見方が出ている。同中銀は輸出企業の外貨を国内銀行に保有させることで、ルピアの対ドル相場での急落を阻止し、為替相場の安定にも寄与するという一石二鳥の効果を期待しているとの見立てだ。
とくに最近のドル高・ルピア安の進行を食い止めるため、同中銀はドル売り・ルピア買いの市場介入でルピア安阻止に懸命になっていることがこの背景にある。中銀のダルミン・ナスティオン総裁は1月14日の議会公聴会で、経済ファンダメンタルズを反映しない、行き過ぎたルピア安を阻止するため、いつでも市場介入する用意がある-と市場介入を続ける意向を示しているが、市場はこれで落ち着く気配はなく、ルピアは今年に入ってから、すでに対ドルで6.1%も下落している。
輸出企業が外貨を国内銀行に預金しない実状は、昨年7月時点でも1月の輸出額146億㌦(約1.4兆円)に対し、実際に預けられたのは74億㌦(約7000億円)にとどまっている。