インドネシアの石炭の違法採掘 ケタ外れの規模
インドネシアの南カリマンタン州の世界有数のアルトミン炭鉱で、ケタ外れの石炭の違法採掘が行われているとの情報が飛び交っている。3日ごとに、米ニューヨークにあるクライスラービルの高さとほぼ同じ全長の船舶が満杯になるほどの石炭が盗まれているという。事情に詳しい2人が明らかにしたとブルームバーグが伝えている。この違法行為により、すでに4年ぶりの安値近辺にある発電用石炭の国際価格に影響が及んでいる。
業界全体の推計によると、インドネシア全域で昨年盗まれた石炭は計約60億㌦(約6100億円)相当に上った。関係者によると、アルトミン炭鉱での違法は毎月約200㌧に上る。この量は現在の価格水準で換算して約1億5000万㌦相当に達し、石炭輸出最大手のグレンコア・エクストラータとの契約を迂回して売却されているという。