フィリピンに日本の牛肉輸出 13年ぶり解禁、再開へ
日本の農林水産省は3月11日、フィリピン農業省との間で日本産牛肉輸出に向けた検疫協議がすべて終了したと発表した。このため、同国向け輸出施設を管理する地方自治体と動物検疫所で輸出に必要な衛生証明書の発行も開始するとしている。これにより、牛海綿状脳症(BSE)が日本で発生したことから2002年以降、禁輸措置がとられていたフィリピン向け牛肉輸出が13年ぶりに解禁、再開される見通しとなった。
主な輸出条件は①特定危険部位(SRM)を含まないこと②ピッシングや圧縮空気もしくはガスを頭蓋腔に注入する機器を用いたスタンニング(気絶処理)を行わないこと③フィリピン向け輸出施設で処理されること④月齢制限はなし-など。(注)ピッシングとは、屠畜場で処理する際、失神させた牛の頭部にワイヤー状の器具を挿入して、脳神経組織を破壊する作業。
フィリピン向け輸出に認定された施設は、飛騨ミート農業協同組合(岐阜県高山市)が運営する飛騨食肉センター、滋賀食肉公社(滋賀県近江八幡市)の滋賀食肉センター、ミヤチク都農工場(宮崎県)、南九州畜産興業(鹿児島県)、阿久根食肉流通センター/スターゼンミートプロセッサー、阿久根工場(鹿児島県)。