「漁師に違法行為はない」地裁が豪州政府に賠償命令
インドネシア東ヌサトゥンガラ州西ティモール在住の漁師が、豪州海軍に密猟容疑で拘束され、漁船を処分されたとして、豪州政府に損害賠償を求めた訴訟の判決で、ダーウィンの連邦地裁はこのほど同政府に漁師に44万㌦を支払うよう命じた。地元メディアが報じた。
この事件の経緯は、2008年のことだ。漁師がインドネシア側の排他的経済水域(EEZ)で、豪州の大陸棚上である海域で、ナマコを捕っていたとして、豪州海軍のパトロール船に拿捕され、漁船は海上で焼却処分された。この場合、大陸棚の海底資源は豪州の法律が及び、水中の魚はインドネシアが管轄する。そこで、この漁師は水中の魚を捕っていただけだと主張して、豪州海軍を相手に訴訟に持ち込んだ。その結果、今回地裁の判決で漁師の主張を認め「漁師に違法行為はなく、漁船の押収は根拠がない」と結論付けた。