クラカタウ・ポスコの事故被害額最大480億円の見方も
韓国鉄鋼大手ポスコが、インドネシア国営のクラカタウ・スチールとの合弁で海外に初めて設置した一貫製鉄所、クラカタウ・ポスコの大事故の一端が明らかになった。朝鮮日報日本語版によると、同製鉄所は2013年12月23日、ユドヨノ大統領や同社首脳が見守る中、火入れ式が行われたが、わずか9日目の14年1月1日に大型事故が発生し操業停止。この時、ポスコは「工場稼働初期にはよくあることだ」と大型事故の否定発言で切り抜けようとした。
ところが、19日に再び事故が発生。今回は作業員がガス供給バルブの操作を誤り、ガス配管で爆発が起きた。ガス供給が止まれば巡り巡って、最悪の場合、高炉解体の全面補修が必要になる事態だったという。これにより、稼働は2カ月以上遅れ、ポスコ関係者によると事故の被害額は少なくとも1000億ウォン(約96億円)を上回るとみられる。また、業界の一部からは被害額が最大5000億ウォン(約481億円)に達するとの見方も出ている。
ポスコは3月7日、クラカタウ・ポスコでスラブ(厚鋼片)の出荷を開始したことを明らかにした。最初の事故発生で操業停止してから2カ月以上経過していた。ただ、問題はまだ解決していない。ポスコは一連の事故に関連し、事故の詳細な調査と、正常操業の支援を行う組織として「支援委員会」を設置。調査しているが、最初の正確な原因を特定できていないからだ。ポスコの現地下請け業界では、同社が海外投資の成果を上げるため、クラカタウ・ポスコの建設工事を急ぎ、その結果、様々なミスが発生したと指摘している。