東南アジアで生活向上支える日本式の低温物流広がる
日本式の低温物流がシンガポール、マレーシア、タイなど東南アジアに広がりをみせている。冷凍食品大手、冷凍倉庫大手、物流・宅配大手など日本企業の低温物流網が、市民生活の利便性を飛躍的に向上させつつあることで、現地の物流企業にも意識改革を含め好影響を及ぼしている。トラックに全地球測位システム(GPS)やセンサーを付けて遠隔監視したり、運転手を徹底教育したりと配送サービスの質を高めて顧客をつかむ。コンビニエンスストアや外食産業の普及を促し、いまや日本式の低温物流が東南アジアの多様な食の楽しみを求める中間層のニーズに応えているといっても過言ではない。
アジアでは現在、クーラーボックスをトラックに積むだけだったり、節約のため冷凍・冷蔵庫の電源を切っていたりする業者も多いという。例えば、タイでは温度をほぼリアルタイムで監視する発想はない。熱帯だけに温度管理は難しく、緻密な日本式物流は強みを生かせる。アジアのコンビニは日本と比べて冷蔵・冷凍食品の比率が低く、常温の食品や雑貨が多い。物流の発展につれて品揃えが改善すれば、より消費者の支持は高まるとみられる。