民間企業の対外債務が4年で倍増 中銀が懸念
インドネシア中央銀行はこのほど、民間企業の対外債務が過去4年間で約2倍に急増していることを明らかにした。これは企業が金利の低い米国から借り入れる傾向が強いことがその要因だ。このため、中銀は為替リスクを引き起こし債務不履行につながることを懸念している。地元メディアが報じた。
中銀によると、2009年に736億㌦だった民間の対外債務が2013年末時点で1405億㌦まで増加。同期間の政府機関の対外債務上昇率約25%と比べても、大幅に高い。対外債務急増の最大の要因は、周知のとおり、何といっても国内政策金利の高さにある。国内政策金利7.5%に対し、米国政府の政策金利がほぼ0%を維持しているため、民間企業の資金調達の目が米国に向きがちになることは避けられない。事実、企業の対外債務額の約90%が米ドルでの借り入れだ。
このため、中銀のミルザ・アディティアズワラ副総裁は「1997~98年のアジア通貨危機のようなルピア安は起こらないだろうが、経済成長を維持するためにも、民間部門の対外債務に注視しなければならない」と警鐘を鳴らしている。