イスラム市場開拓へ味の素がパキスタンに現地法人

イスラム市場開拓へ味の素がパキスタンに現地法人

 味の素は4月16日、海外事業戦略の柱に掲げているイスラム圏市場開拓の一環として2015年をメドに、パキスタンに現地法人を設立すると発表した。7月をメドに現地事務所を開設し、事業化の準備を進める。

 現地事務所は同国東部パンジャーブ州の州都ラホール市に開設する。日本人と現地人スタッフ合わせ5人程度を予定している。法人設立に向けた市場調査、販売形態、出資体制の検討、うまみ調味料「味の素」の広告、販売促進の支援活動を行う。

 同社はパキスタンで1970年代から「味の素」を輸入販売している。市場ではケータリングサービスでの煮込み料理をはじめ家庭でつくられるダルスープ(豆スープ)やカライ(肉や野菜のカレー)などに使われ、パキスタンの食生活に浸透している。その結果、うまみ調味料市場は直近5年間(2009~2013年)で年率15%で成長しており、今後も継続的な成長が期待できるという。

 現在パキスタンではインドネシア工場製の「味の素」を、シンガポール経由で現地卸売りなどに販売している。「味の素」は「ハラル認証」をクリアしており、この点を強みにイスラム圏市場での販売拡大を目指す。