旅客船事故から1カ月 政府不信 韓国社会に大波紋

旅客船事故から1カ月 政府不信 韓国社会に大波紋

 韓国で起きた旅客船「セウォル号」の沈没事故から5月16日で1カ月・死亡・安否不明者が300人を超す大惨事は、今も社会に大きな波紋を広げている。責任追及の動きは海運会社や船長にとどまらず、官民の癒着構造に向かい、ますます波紋を広げ、政府不信、ひいては大統領の指導力に疑問を投げかける見方も出てきている。また、この事故により国内を覆う自粛ムードが景気全体に与える悪影響を危ぶむ声も出てきた。

 韓国当局は、すでに船長と運航担当の乗組員ら計15人を逮捕。不作為殺人罪のほか、遺棄致死罪などの容疑で近く起訴する方針だ。だが、これは事故解明のほんの入り口に過ぎない。運航会社のオーナーはじめ、船体の安全検査や運航前の点検を担当した機関や組合など、突き詰めていけば官僚の天下り問題や不正資金疑惑が取り沙汰され、どこまで事態解明のメスを入れればいいのか。今回の事故を起点に疑惑が疑惑を呼ぶ展開だ。しかし、完全にウミを出し切るところまで実態解明を徹底しなければ、遺族が、そして多くの国民が納得しないだろう。