「反中国」ベトナム暴動拡大400社被害、700人拘束

「反中国」ベトナム暴動拡大400社被害、700人拘束

 ベトナムで中国による南シナ海の石油掘削に抗議する反中デモが暴徒化し、全土に広がっている。デモは12日夜から南部のビンズオン省の工業団地で始まった。当初は平和的な抗議活動だったが、徐々に投石などにエスカレート。13日夜には中国系工場への放火も。南部のホーチミン市などに広がったデモは、14日に中部ハティン省などに飛び火。計画投資省では63市省のうち22市省でデモが発生し、約400の企業が襲撃されたと報告している。

 現地メディアによると、ハティン省で14日、台湾プラスチックの製鉄所建設地が標的にされ、同社の敷地にデモ隊数十人が侵入。ベトナム人労働者約5000人を引き連れ、現地で働いていた台湾人や中国人労働者ら1000人を襲撃したという。

 ベトナム当局は暴動を起こした約700人を拘束した。経済活動への影響も懸念されるが、敵対する中国への抗議行動だけに、ベトナム政府は対応に苦慮している。