三菱商事がアジアで病院事業 まずフィリピンで

三菱商事がアジアで病院事業 まずフィリピンで

 三菱商事はアジアで病院事業を始める。まずフィリピンで、2015年から20年までに10カ所の医療施設を建設する。総事業費は300億円を見込み、国際協力機構(JICA)も融資で支援する。日本企業主導で先端医療機器を備えた病院を建設し、運営も指導。国が成長戦略と位置付ける高度医療技術の輸出拡大に向け、大きく伸びるアジアの医療市場を官民で開拓する。

 三菱商事は現地財閥系の病院グループの医療機関を建設・保有する特別目的会社(SPC)の設立交渉を進めている。JICAから受託して病院の開設候補地の需要調査などを実施し、15年から順次着工する見通し。

 マニラやセブ島などで、ベッド数が50~150の中規模病院を開設する。病院の経営は現地グループに委ね、施設や医療機器をリースする。JICAは総事業費の最大7割を融資する計画だ。フィリピンで実績を積み、他の東南アジア諸国への進出を検討する。

 日本企業の病院経営では、三井物産がマレーシアに本拠を置くアジア最大の医療グループに出資。セコムは豊田通商などと組んでインドのバンガロールに病院をこのほど開設している。