「不測の事態に備え」タイの日本企業に緊張感
5月20日に全土に戒厳令が発令された後も、軍は水面下で交渉を続けながら、両派の動向を静観する姿勢を示していたことから、現地に進出する日本企業は予想以上に冷静だった。ところが事態は急変、22日夕、軍が全権を掌握、夜間外出禁止令が出されることになり、各社は不測の事態に備えようと緊張感が高まっている。
同日は、午後10時から午前5時までの夜間外出禁止令に合わせて、小売業は営業時間を短縮、自動車メーカーなどは工場の夜勤を中止したり、午後3時から午前0時まで予定していた操業を午後8時に打ち切るなどの措置を取った。23日以降は通常通りの勤務体制を敷けるのかどうか、今後の動向を注視している。
日本企業にとってタイは東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で最大の投資先だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2013年に日本企業がタイに投資した件数は686件、金額は2904億9100万バーツ(約9000億円)に上った。これは、インドネシアの倍近い金額だ。