鴻海 ”米アップル依存“脱却へ動き加速

鴻海 ”米アップル依存“脱却へ動き加速

 台湾の受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業が米アップルへの過度な依存から脱却する動きを加速させている。日本経済新聞が報じた。

   4月に中国のITインフラ設備大手、北京世紀互聯寛帯数据え中心と組み、中国・台湾4カ所にデータセンターを建設すると発表したのに続き、5月27日には通信子会社の国碁電子を通じて台湾の通信4位、亜太電信に出資すると発表。約117億台湾㌦(約398億円)を出資し、亜太電信が6月20日までに実施する第三者割当増資に応じ、全株式の14.99%を握る筆頭株主になる。鴻海は他の株主とも交渉して亜太電信の株式の過半を握る方針。

   鴻海は2013年10月に国碁電子を通じて台湾の4Gの免許を落札していたが、今回の出資で台湾の通信大手の一角に躍り出ることになる。これは鴻海が推進する「垂直統合戦略」の一環で、連結売上高4~5割を占めるとされるアップルの成長鈍化に加え、受注独占の構図が崩れ、郭台銘董事長が主導してきた成長神話に陰りが出てきたためだ。