鴻海が家電量販店から事実上撤退 販売不振で

鴻海が家電量販店から事実上撤退 販売不振で

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は、家電量販店の運営から事実上撤退する。中国では約30店を展開する運営会社の株式を売却したことが6月9日、明らかになった。鴻海はスマートフォンなど受託生産事業の成長が鈍化したことで、新たな成長分野として中国や台湾で家電量販店を展開してきた。だが、競争激化で販売不振に陥っていた。

 鴻海はグループ会社を含め、2003年に出資した中国の家電量販店「サイバーマート」で、上海市や重慶市などで事業展開してきたが、この株式すべてを中国の投資会社に売却。その結果、約230万㌦の投資損失が発生した。すでに独小売り大手のメトロと中国で合弁展開していた家電量販店「メディアマルクト」の全7店を13年3月に閉鎖。サイバーマートは12年に台湾にも出店したが、翌13年には早くも全6店を閉鎖するなど家電量販事業は苦戦が続いていた。ただ、家電のインターネット販売は別途展開しており、今後も続ける方針だ。日本経済新聞が報じた。