喫煙による国家の経済的損失は378兆ルピア
インドネシア保健省の研究機関は、喫煙による健康被害は甚大な経済的損失を国家にもたらし、その規模は2010年の245兆ルピア(約2兆120億円)から13年には378兆ルピア(約3兆270億円)に増加したと発表した。この3年間で喫煙による健康被害に伴い、国家の経済的損失が133兆ルピア(約1兆150億円)増えたわけだ。このため、たばこ規制により疾患者を減らすことができれば、今年1月から運用が始まった国民皆保険への財政的負担も軽減されると指摘している。
インドネシア国内では、たばこが大きな要因とされる疾患が原因で、12年に26万人(うち受動喫煙者は2万5000人)の死者が出ている。ところが、ユドヨノ政権下では規制による関連産業への影響が大きいとして、世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約(FCTC)を批准しなかった。
ただ、こうしたたばこ喫煙による健康被害の深刻な現状を考慮し、ナフシヤ・ムボイ保健相は、喫煙者だけでなく、受動喫煙者も減らすことの重要性を訴え「次期政権においては、FCTCが批准されることを望む」と話している。インドネシアは中国、米国、ロシア、日本に次ぐ世界5位の喫煙者数を誇るたばこ大国だ。