中間所得層に照準合わせた外資アパレルの進出加速か
インドネシアで増加する中間所得層に照準を合わせ、高まるファストファッション需要の取り込みをもくろむ外資アパレルの進出が加速しそうだ。
「ユニクロ」を運営・展開するファーストリテイリングは、ジャカルタ中心部のショッピングモール「ロッテ・ショッピング・アベニュー」にインドネシア1号店を設置。6月ごろに予定される同モールの開業に合わせて店舗運営を開始する。スウェーデンのH&Mも、来年にも店舗面積4000平方㍍のインドネシア1号店をジャカルタ中心部のショッピングモールにオープンすることを発表している。ユニクロはインドネシアについて「極めて重要な戦略的な国」と表現、アジア展開において不可欠な市場と位置付けている。
同国では外資規制により、現状では2000平方㍍超の営業床面積が必要になるうえ、路面店という形態は普及していない。また、入居を希望するブランドも多く、ショッピングモールはどこも売り手市場となっていることから、店舗の確保が課題となっている。
同国では近年、低価格の中国製品が氾濫していたが、所得の向上に伴い手頃な価格で、よりファッショナブルで品質も保証された外国ブランドへのシフトが徐々に進んでいる。同国のアパレル市場規模は2005年に93億㌦だったのが、10年に210億㌦に達し、15年には350億㌦まで伸びると見込まれている。