政府がODAで新興国へのインフラ輸出を後押し
日本政府は、日本企業が受注した新興国のインフラ整備案件を政府開発援助(ODA)に基づく無償資金協力の対象にする。水道や電力などのインフラ建設に必要な費用の一部を政府が肩代わりすることで、企業の受注を後押しする。ODAを活用し、中国や韓国企業との受注競争を側面から支援する。
今回の新制度で対象とするのは日本企業がインフラの建設後も運営に携わる案件。水道事業の場合、浄水場は現地政府と受注企業が資金を出し、配水管を造る費用に日本政府の無償資金を充てることなどを想定する。今年度中に対象案件を選定する。日本経済新聞が報じた。
日本企業は品質面で優れ、長期間安定して稼働するインフラ設備を造れるが、そのため初期費用がかさむ難点がある。一方、途上国側は初期費用の安さを重視する傾向が強く、低価格設備で攻勢をかける中国や韓国の企業に競り負けることが多い。政府はODAの無償資金協力とインフラ輸出案件を連動させることで、中韓との受注競争に対抗したい考えだ。