プラボウォ氏猛追の大統領選で投資家に戸惑い

プラボウォ氏猛追の大統領選で投資家に戸惑い

 7月9日に差し迫ったインドネシア大統領選。当初は圧勝とみられていた改革派に擬せられたジャカルタ特別州知事のジョコ・ウィドド氏に対し、対抗馬の元軍人、プラボウォ・スビアント氏が猛追。強権的ながら安定成長を遂げた「スハルト時代」への郷愁をイメージさせるとともに、ジョコ氏へのネガティブキャンペーンが奏功した。

 その結果、調査機関の世論調査によると、5月上旬から6月上旬にかけて、プラボウォ氏が13ポイントあったジョコ氏との差を6ポイント差に縮め、予断を許さない情勢となり、ここへきてにわかにメディアを通じた両陣営の中傷合戦が激しさを増している。

 こうした状況に戸惑いをみせているのが投資家だ。投資家が「改革派」として期待するジョコ氏と、猛追するプラボウォ氏との差が縮小し、大統領選の行方に不透明さがでてきたことが影響し、通貨ルピアが下げ足を速めている。

 また、両陣営への市場の評価もかなり相違をみせている。ドイツ銀行が実施した70人の投資家への調査結果に端的に表れている。ジョコ氏が当選した場合の資産運用方針は「買い」が74%に対し、プラボウォ氏当選の場合は56%が「売り」と回答している。