インドネシア「改革」選択 少数与党の難しい舵取り
インドネシア国民は、清廉なイメージと改革実行力に期待、東南アジア諸国連合(ASEAN)の最大人口を擁する国を5年間率いる次期大統領に、ジョコ・ウィドド氏を選んだ。ただ序盤、熱狂的な人気で独走ムードだったものの、終盤、対照的な政治スタイルの対立候補プラボウォ氏の猛追に遭い、大接戦となったように、ジョコ氏の人気に陰りもみられる。地方市長出身で外交や安保の経験不足を挙げる声もある。
また、大統領選でジョコ氏を支えた陣営は計4党で、10月に発足する国会での議席占有率は37%にすぎない。これではジョコ氏の持ち味である改革の実行力が発揮できないのではないか-との指摘もある。
しかし、「自党は常に与党、勝った方につく」と公言する政党もあり、連立の組み替え観測も強まり、投資家の信頼も回復、株式市況へ好印象を与えている。いずれにしても政権を安定させるには、国会や対外関係で役割が高まる軍との関係強化が欠かせない。