アジアの貧困率は軒並み低下も所得格差は拡大

アジアの貧困率は軒並み低下も所得格差は拡大

 世界銀行の調査によると、アジア各国は経済成長の恩恵を受け、貧困率は軒並み低下している。1人当たりの生活費が1日1.25㌦(130円弱)未満の人が占める割合は、中国が20年弱で5分の1に減り、ベトナムも15年で4分の1に。インドやフィリピンなどでも改善が進んでいる。

 一方で、所得格差はなかなか縮まらない。成長の恩恵が地方の農村部に行き渡っていないことなどが背景にあり、中国やインド、インドネシアなどは格差が開く過程にある。

 中国の上位10%と下位10%の所得格差は17.7倍(2009年)。1999年の10.9倍から大きく拡大している。インドネシアは9.5倍(2011年)、インドは7.8倍(2010年)と中国を下回るが、今後はさらに開く可能性がある。反対に所得格差が縮まりつつあるのがマレーシア、タイだ。