インドネシアの主要都市で、2013年1月発効の最低賃金が前年比で4割以上引き上げることになった。ジャカルタは前年比44%増の月220万ルピア(約1万8700円)となった。工業団地が多い西ジャワ州でもボゴール県が同7割強上がるほか、トヨタ自動車などが主力工場を置くカラワン県でも同58%、ブカシ県で同48%上昇する。労働者らによる度重なるデモに押された格好での妥結となった。
大幅賃上げの狙いは、購買力を高めて成長を維持することにある。ただ、大きな問題も内包している。消費増の恩恵を得られる企業が出てくる半面、最低賃金がインフレ率の10倍近く上昇することで、事業の採算性や物価の制御に混乱をもたらす可能性もある。