味の素タイ工場で 初のもみ殻使い熱電併給設備導入
味の素はうまみ調味料「味の素」の主要生産拠点、タイのアユタヤ工場にもみ殻を使ったコージェネレーション(熱電併給)設備を導入する。バイオマス発電によるコージェネレーションは同社では初めてで、もみ殻を使うのは産業界でも珍しい。
世界有数のコメの産出国であるタイで発生するもみ殻を省エネルギーに有効活用する。約40億円を投じて蒸気タービンなどの設備を新設し、2016年2月の稼働を見込む。現在は重油ボイラーをたいているが、もみ殻を燃料にした蒸気タービンを利用し蒸気と電気を供給する。工場で使う電気の約3割を自家発電に切り替える。タイは精米所が多く、同国で出る年間280万㌧のもみ殻のうち、約2割が使用されずに廃棄されているため、安定調達が見込める。味の素は年間9万トンを使う見込み。
アユタヤ工場は2013年7月に稼働した海外の主要拠点で、「味の素」を年間6万4000㌧生産している。同社によると、タイでは1㌔㍑当たりの重油の価格は5年間で約2倍に、電気料金も年6~7%のペースで上がっている。バイオマス発電は蒸気にする効率は重油より悪いが、もみ殻の価格は重油の6分の1程度で、実際のエネルギー費用は3~5割減らせる。日本経済新聞が報じた。