アチェ州と内務省が独立旗復活めぐり対立 熱帯びる
アチェ州議会が3月22日、分離独立派武装組織・自由アチェ運動(GAM)と同じデザインの旗を州旗に制定すると議決したことを受け、自治体の条例制定を監督する内務省が、地域の不安定化を招く可能性があるとアチェ州に見直しを勧告したことで、すでに解散した独立派のシンボル復活をめぐり、対立が熱を帯びている。
アチェ州側はGAM旗採用について、和平合意では制服や軍事的な記章、シンボルを禁止しているが、旗や紋章、歌などを含む地方のシンボルを定め、使用を認める内容が盛り込まれていると主張。デザイン的に同じでも、分離独立運動を復活させる意図はないと強調している。一方、内務省は地方のシンボルに関する政令(2007年)で、分離独立運動のシンボルの使用を禁じているとの見解を示し、見直しを勧告した。
こうした経緯を受けて、国家の統一性を乱しかねないと捉えたユドヨノ大統領も動き出したことで一気にヒートアップした感がある。同大統領は4月1日、ガマワン・ファウジ内相をアチェに派遣し、交渉にあたらせると発表。ガマワン内相は、州議会は中央政府に相談すべきだった。そして17世紀に栄えたアチェ王国時代の旗を引き合いに、なぜイスカンダル・ムダ国王(1636年没)時代からのシンボルマークを使わないのか-と代替案を提示したという。アチェ州では、1日には州旗制定を支持する住民約1000人が、州都バンダアチェのバイトゥラフマン・モスクから州議会前まで行進。横16㍍、縦6㍍の旗をハスビ・アブドゥラ議長に手渡し、支持を表明した。