東南ア諸国の賃金上昇加速 対応迫られる日本企業
日本企業の生産移転が続く東南アジア各国で労働者の賃金が急上昇している。2015年の月額最低賃金はインドネシア、ベトナム、カンボジアで前年比2~3割上がる。その結果、一部の国では中国の主要都市の8~9割の水準に達する。安価な労働力を求めて、中国から東南アジアに拠点を移してきた日本企業にとってコスト上昇要因となり、新たな対応を迫られる。
1990年代から安価な労働力を求めて、日本企業などでは中国に生産拠点を構えてきたが、中国の主要都市ではここ4~5年で最低賃金が1.5~1.6倍になった。そこで企業は中国以外に新たな工場立地を探る「チャイナ・プラスワン」戦略を進め、東南アジアに生産を移してきた。ところが、東南アジア諸国における賃金が急上昇。2015年の最低賃金水準は2010年比、インドネシアで2.6倍、ベトナムで2.3倍、カンボジア2.1倍、タイ46%高となる見通しだ。