インドネシア1~3月のGDP成長率5.21%に鈍化

インドネシア1~3月のGDP成長率5.21%に鈍化

 インドネシア中央統計局は5月5日、1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率が前年同期比で5.21%だったと発表した。政府が1月から施行した未製錬鉱石の輸出規制を受け鉱業や輸出が低迷したことなどが響いた。この結果、GDP成長率は4四半期連続で6%を割り込み、5.6%だった2009年10~12月以来の低水準となった。

防災分野中心に円借款 財務相がアジア開銀総会で表明

防災分野中心に円借款 財務相がアジア開銀総会で表明

 麻生太郎財務相は5月4日、カザフスタンでのアジア開発銀行(ADB)年次総会で後援し、防災分野での途上国支援を推進する考えを示した。同相は「自然災害が経済成長に深刻な影響を与えている」と指摘し、円借款や人材派遣などの協力を充実させ、2017年のADB総会を日本に誘致する方針も表明した。

インドネシアが製薬業界、電力などで外資規制緩和

インドネシアが製薬業界、電力などで外資規制緩和

 インドネシア政府は5月2日、製薬会社への出資比率の上限を従前の75%から85%に、広告代理店には49%から51%にそれぞれ引き上げた。また、官民プロジェクトとして実施される発電所建設については外資の出資を100%認めるとし、これまでの95%の上限を撤廃した。ただ、一定の期間が経過した後は、政府が一部権益を保有することになる。これらの措置は、インドネシアへの海外からの投資が第1四半期に約5年ぶりに低い伸びに留まったことに対応したもの。

 今回の規制緩和について、外資系製薬団体IPMGはインドネシア国内企業と資本提携する必要があることに変わりはないため、投資の増加は見込めないとしている。ロイター通信が報じた。

貿易収支は2カ月連続で大幅黒字に 3月は6.7億㌦

貿易収支は2カ月連続で大幅黒字に 3月は6.7億㌦

 インドネシア中央統計局(BPS)が5月2日発表した3月の貿易収支は、6億7320万㌦の黒字となった。2月の8億4320万㌦に続き、2カ月連続の貿易収支の黒字。輸出額は前年同月比1.24%増の152億1150万㌦、輸入額は同2.34%減の145億3830万㌦だった。

 

インドネシア物価上昇率4カ月連続鈍化 4月0.02%低下

インドネシア物価上昇率4カ月連続鈍化 4月0.02%低下

 インドネシア中央統計局が5月2日発表した統計によると、4月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比で7.25%だったと発表した。上昇率の鈍化は4カ月連続。前月比ではコメや香辛料など「基礎食品」が1.09%のマイナス。全体で0.02%低下した。ただ今年後半は、5月1日から実施された産業用電力の大幅引き上げの影響により、物価上昇要因が数多くある。

 

5/1から産業用電力料金の引き上げ実施 救済措置検討

5/1から産業用電力料金の引き上げ実施 救済措置検討

 インドネシア政府は5月1日から、財政を圧迫している電力補助金削減のため、大規模産業向け料金の段階的値上げに踏み切った。ただ、産業界からは期間や値上げ幅の再考を求める声が多く、政府は優遇措置を用意して対応する構えだ。地元メディアなどが報じた。

 エネルギー鉱物資源省のジャルマン電力局長は4月30日、「ルピア安による化石燃料の上昇で電力補助金は膨らみ続けており、2014年は13年の不足分と合わせ71兆4000億ルピアが計上され、国家財政を大きく圧迫する事態となっている」と窮状を語った。このため「補助金削減は急務で(今回の値上げにより)、政府試算では今年だけで約8兆9000億ルピアの削減につながる」としている。

 今回の電力料金の段階的値上げ、2カ月ごとに6カ月間で計4回、生産工程で電力を多く消費する素材産業など「Ⅰ4」が最大で計64.7%もの引き上げになるだけに、産業界からは値上げが急すぎるとの批判が根強い。これに対し、同局長は特定の産業に優遇措置を設ける法案を近く国会に提出することを明らかにした。どの業界にどの程度の優遇措置を与えるかなど詳細は現在検討中という。

 政府は値上げ以外で民間の協力を促すしくみ作りも検討している。民間の電力供給を可能にする「パワーホイーリング」を15年初めに実施する予定だ。同制度では国営電力PLNから電力を購入するほか、企業の電力自家発電を支援する。

 

 

インドネシア 15年のGDP伸び率5.5~6.3%に想定

インドネシア 15年のGDP伸び率5.5~6.3%に想定

 インドネシアのアルミダ国家開発計画庁長官は4月30日、2015年予算案で、同年の国内総生産(GDP)伸び率を5.5~6.3%、年末時点のインフレ率を3.5~5.5%と想定していると述べた。ロイター通信が報じた。14年のGDP目標は6%となっている。15年末時点のインフレ目標は、インドネシア中央銀行の目標の3~4%程度より高い。

 

2014年第1四半期の外国投資額9.8%増に留まる

2014年第1四半期の外国投資額9.8%増に留まる

 インドネシア投資調整庁(BKPM)によると、2014年第1四半期の外国直接投資額(FDI)は、前年同期比9.8%増の約62億㌦(約72兆ルピア)に留まった。13年第4四半期の同25.4%増、13年第1四半期の同27.2%増に比べて大幅な鈍化が目立つ。この結果について、総選挙を前に政策が不透明なことから、投資が手控えられているとの見方と、今回の数字は底堅いとの両方の見方がある。

マレーシア経済研が14年経済成長率5.3%に下方修正

マレーシア経済研が14年経済成長率5.3%に下方修正

 政府系シンクタンクのマレーシア経済研究所(MIER)は4月24日に発表した最新の経済見通しリポートの中で、2014年通年の経済成長率予測を5.3%とし、14年1月の5.5%から下方修正した。MIERは政府による財政改革や金融引き締め策などを考慮したもので、引き続き生活コストの上昇などが懸念材料になると指摘している。地元メディアが報じた。

インドネシアが未精錬鉱石輸出関税率引き下げへ

インドネシアが未精錬鉱石輸出関税率引き下げへ

 インドネシア政府は4月23日、未精錬鉱石の禁輸で、経済界などからの強い反発に対応、これまで段階的に引き上げてきた輸出関税の引き下げを決めた。財務省のバンバン副大臣が地元メディアに明らかにした。これにより1月に発布した輸出関税率に関する財務大臣令を改定する。改定後の輸出関税率は今後詰めていく。

 新鉱業法の施行に伴い1月12日から開始された禁輸では2016年末まで段階的に輸出関税率を引き上げていくとしていた。精錬所建設を促して国内での付加価値を高めて輸出する目的だが、鉱物採掘業者や商工会議所(カディン)などが禁輸措置で雇用が失われるとして強く反発していた。日本政府も世界貿易機関(WTO)へ提訴する姿勢を示している。

 輸出関税率は精錬所の建設の進捗度合いに応じて5段階に分ける。精錬所の稼働が近付くにつれて税率を下げ、早期建設のインセンティブにする。