観測史上最古の渦巻銀河を発見 124億年前 国立天文台チーム

国立天文台などの研究チームはこのほど、観測史上最古の渦巻銀河を発見した。宇宙誕生(約138億年前)から間もない124億年前の宇宙に、太陽系を擁する天の川銀河と似た渦巻構造を持つ銀河があることを見つけもの。チームは「我々の太陽系がどのような環境で誕生したか探る手掛かりになる」としている。
この渦巻銀河に存在する星と星間物質の質量は太陽系の600億倍程度で、天の川銀河に匹敵すると推定された。同チームの研究成果は5月21日、米科学誌サイエンス(電子版)に掲載された。

中国の探査機 火星着陸に初めて成功 旧ソビエト,米国に次ぎ

中国の国営メディアは、同国の無人探査機「天問1号」が5月15日午前、初めて火星への軟着陸に成功したと伝えた。火星への着陸は旧ソビエト、米国に次いで3カ国目。探査機に搭載された探査車が今後火星の表面を走行し、地形・土壌など地表面の探査を実施する予定。成功すれば米国に次いで2カ国目となる。

奄美・沖縄 世界遺産へ IUCNが「登録が妥当」と勧告 5件目

環境省は5月10日、日本政府が世界自然遺産に推薦する「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)について、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際自然保護連合(IUCN、本部:スイス)が「登録が妥当」と勧告したと発表した。4島からなる推薦地は、95種の絶滅危惧種が生息する。
登録されれば、日本の自然遺産登録は10年ぶり5件目。7月16~31日にオンラインで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定される。

野口さん搭乗の「クルードラゴン」半年ぶりISSより地球帰還

国際宇宙ステーション(ISS)に2020年11月から滞在していた日本人宇宙飛行士の野口聡一さんら4人の飛行しは、日本時間5月2日午後4時前に米国フロリダ州の沖合のメキシコ湾に着水、およそ半年ぶりに地球に帰還した。民間として世界で初めて運用段階に入った宇宙船の1号機のミッションは、この帰還によって終了した。
今回の宇宙飛行が3回目となった野口さんは、ISSの滞在中に船外活動を行って新しい太陽光パネルを取り付けるための作業をしたほか、無重力でiPS細胞を培養したり、植物を育てたりする実験を行った。

ISS「きぼう」で野口さんから星出さんへたすきリレー

米スペースXの新型宇宙船「クルードラゴン」で4月24日に国際宇宙ステーション(ISS)に到着した星出彰彦宇宙飛行士(52)と、ISSに滞在中の野口聡一飛行士(56)が26日、そろって記者会見した。
野口さんは星出さんに引き継ぎのたすきを手渡し、「日本人同士でたすきリレーができて本当に嬉しい」。そして、受け取った星出さんは「将来(人類が)月や火星に行くための実験・研究をしたい」と意気込みを語った。

高エネルギー反ニュートリノ 南極施設で世界初観測 千葉大など

千葉大などの国際研究チームは、銀河系の外から届いた素粒子の一種「高エネルギー反ニュートリノ」を初めて観測したと、3月10日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。南極の氷床を活用した素粒子観測施設「ICE CUBE(アイスキューブ)」の装置で捉えた。宇宙物理学の謎の一つ「高エネルギーニュートリノの発生の仕組み解明」につながる成果という。
アイスキューブは12カ国の国際研究チームが運営し、2011年に本格稼働を始めた。日本からは千葉大ハドロン宇宙国際研究センターの研究者らが参加している。

平常宮跡歴史公園で新たな観光体験の実証実験 NECなど4社

日本電気(以下、NEC、所在地:東京都港区)、凸版印刷(所在地:東京都千代田区)、マクニカ(所在地:横浜市港北区)、コトバデザイン(所在地:東京都渋谷区)の4社は2月22日、ローカル5GやMR(複合現実)を活用した、新たな観光体験の実現に向けた実証実験を2月26日から3月1日まで、奈良市の平城宮跡歴史公園で実施すると発表した。
屋外の観光資源とICTの融合により新たな観光体験を提供する。NECは全体管理、ローカル5G技術提供、凸版印刷はMR技術、映像配信制御システム開発、マクニカは8人乗り低速EVカートと自動運転システム提供、コトバデザインはAIコンダクター開発をそれぞれ担う。

京都・醍醐寺が宇宙に寺院開設へ 2/8に初の平和祈る「宇宙法要」

真言宗の醍醐寺(所在地:京都市伏見区)は2月1日、京都市内の人工衛星開発企業と協力して宇宙に寺院を開くため実行委員会を発足したと発表した。2年後の2023年に打ち上げ予定の衛星に本尊や曼荼羅(まんだら)など仏教の心の拠りどころとする。2月8日に宇宙の平和と安全を祈る「宇宙法要」を初めて行い、今後も定期的に実施する予定。

アンモナイト「異常巻き」の新種化石 北海道・中川町で発見

北海道・天塩地区の中川町でアンモナイトの新種の化石が見つかった。通常アンモナイトは蚊取り線香のような渦巻きが特徴。ところが、今回見つかったのはゼムクリップのような形状の「異常巻き」。一般的な正常巻きとは種の一つ上の属レベルで異なっており、新しい属をつくる必要があるという。
新属のアンモナイトが日本で見つかるのは37年ぶり。中川町が含まれる旧国名からソルマイテス・テシオエンシス(天塩のゼンマイ石)と命名された。新種の化石は1月18日から9月30日まで、中川町エコミュージアムセンターで展示される。

「はやぶさ2」小惑星の物質5.4g 目標上回る量採取の成果

萩生田文部科学相は12月18日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を視察し、「はやぶさ2」のカプセルから採取された小惑星「リュウグウ」のものとみられる物質の量が5.4gと、目標だった0.1gを大幅に上回る量だったことを明らかにした。5.4gあれば今後、様々な分析や研究ができるという。
サンプルの容器は、まだ2つの部分の開封作業が残っていて、どのような物質が採取されているのか注目される。