滋賀県長浜市などの調査によると、江戸時代に日本で初めて反射望遠鏡をつくった発明家、国友一貫斎が使用していた道具などおよそ100点がまとまった形で発見された。
今回見つかったのは一貫斎が反射望遠鏡を製作する際に使用していたネジ回しや千枚通し、鏡やレンズを磨く砥石(といし)、製作途中のレンズなど。長浜市にある一貫斎の生家に保存されていたものを市などが調査、確認した。江戸時代の科学技術にまつわる製作道具が、これほど多く残されているのは例がないという。
国友一貫斎は江戸時代後期、今の滋賀県長浜市にあった鉄砲鍛冶の家に生まれ、今からおよそ190年前、日本で初めて反射望遠鏡を製作したことで知られている。
奈良時代 平城宮跡で出土の木簡展 今年は長屋王家の暮らしの一端
奈良市の平城宮跡資料館で、奈良時代の平城京跡で出土した、有力貴族ゆかりの木簡を集めた展示会が開かれている。同展示会は奈良文化財研究所が毎年開いているもので、今年は長屋王家の木簡が展示されている。展示会は11月23日まで。期間中、合わせて48点の木簡が3回に分けて展示される。
長屋王は天武天皇の孫にあたる有力貴族で、聖武天皇の御代、藤原氏一族が政権の枢要部をほぼ制圧していた中、藤原氏の専横に抵抗した王族の一人。長屋王家の屋敷内跡から出土した木簡のうち1,669点が2020年9月、国の重要文化財に指定されている。
領地から届いたアワビの荷札、屋敷内の使用人に米を支給した際の記録用の木簡、同じ場所から出土した土器なども展示されている。木簡には普段の生活がありのまま書いてあり、木簡を通して奈良時代の上級貴族の暮らしぶりの一端がうかがえる。
平等院鳳凰堂 創建時の扉に雲に乗った菩薩が飛び交う姿
京都府宇治市の世界遺産、平等院は、平安時代に造られた鳳凰堂の扉を調査した結果、雲に乗った菩薩が飛び交う姿が描かれていたことが分かったと発表した。平等院は一昨年から東京文化財研究所や奈良女子大学の研究者とともに、1,000年近く前の創建当時に造られた鳳凰堂の扉を、蛍光X線など特殊な光を使って装飾の調査を進めてきた。
その結果、高さおよそ4.6m、幅およそ1.6mの扉の表面から鉛や銅を使った顔料が検出され、扉全体を使って1つの絵が表現されていた。浮かび上がった輪郭などから、山や緑を背景に建物の上を雲に乗った菩薩などが飛び交う姿が描かれていたことが分かったという。
岸和田 コロナ禍で”だんじり”引き回し中止 神事のみ執行
大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」は10月11日、新型コロナウイルスの感染防止のため、大勢の見物人が集まる名物の”だんじり”引き回しが中止され、五穀豊穣を願う神事のみが執り行われた。市によると、岸和田だんじり祭が中止になるのは昭和20年以来75年ぶり。
豪快かつ勇壮にだんじりを引き回すことで知られる同祭は、江戸時代に始まったと伝えられ、300年以上続く伝統の祭り。
創建当初の東大寺東塔の再建目指し2つの復元図作製
奈良文化財研究所は鎌倉時代に再建された鎌倉時代の東大寺東塔について、姿の異なる2種類の復元図を作製した。鎌倉時代の東塔は高さ96m、塔の基壇は1辺およそ27m四方の類のない大きさとした。
一つ目の図は東塔の再建を呼びかけた僧侶、重源が建設に携わった東大寺南大門の建築様式を参考にしたもの。屋根のそりがあまりない、シンプルな造りが特徴。一方、これを引き継いだ僧侶、栄西が建設に携わった東大寺鐘楼の建築様式を参考にした復元図は、屋根にそりがあり、それぞれの層に窓などが設けられている。
東大寺は奈良時代の創建当初の東塔の再建を目指しており、同研究所は今回の経験を生かして復元図を作製することにしている。
唐招提寺で鎌倉時代の僧侶・凝然像の開眼法要
鎌倉時代の僧侶で、数多くの仏教の著書を残した「凝然(ぎょうねん)」の木像が完成し9月26日、唐招提寺で魂を入れる開眼法要が営まれた。木像は2021年で凝然の没後700年になるのを記念して造られたもので、凝然が筆と巻物を手にしている高さ80cm程度の像。
凝然は唐招提寺や東大寺戒壇院で「長老」となった鎌倉時代の僧で、仏教の入門書とされる「八宗綱要」など数多くの著書を残している。
超高温・超短周期の海王星型惑星を発見 東大など研究チーム
東京大学大学院の教授らの参加する国際研究チームは9月22日、NASAが打ち上げたトランジット惑星探索衛星TESSと地上望遠鏡の連携した観測により、公転周期が19時間しかなく、惑星の温度が摂氏1,700度を超えると見込まれる超高温・超短周期の海王星型惑星LTT9779bを発見したと発表した。
LTT9779bの半径は地球の約4.7倍、質量は地球の約29倍で、海王星をやや大きくしたような系外惑星。LTT9779bの詳細、超高温の惑星がどのような大気を持つのか、またどのように生まれたのか、今後の研究が待たれる。
今回の国際研究チームには東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構の成田憲保教授、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の田村元秀教授らが参加している。
今回の研究成果は2020年9月21日、国際科学雑誌『Nature Astronomy』の電子版に掲載される。
国宝「十二天屏風」など50点余を展示 東寺で名宝展
京都の東寺(京都市南区)の宝物館が開館して55年になるのを記念して、所蔵する貴重な文化財などを公開する名宝展が9月20日から始まった。宝物館の会場には、屏風や経典など50点余りが展示されている。11月25日まで。
国宝「十二天屏風」は鎌倉時代のもので、帝釈天など12の守護神が描かれている。平安時代の平面的な描き方とは異なり、線は強弱がつけられ、守護神の体に角度や動きなどの躍動感があるのが特徴。2019年1月に本坊の蔵から見つかった「鑑査状」には「美術上の模範になるべきものと認定する」との評価が書かれている。
鑑査状は、明治時代に当時の宮内省が発行した古典美術の評価を等級付けした証書。この作業の際、美術評論家の岡倉天心やフェノロサなどが調査員として派遣されたとの記録が残っている。
全国から城好き大集合 滋賀・大津市で初のイベント
全国から城好きの人たちが集まるイベントが集まるイベントが滋賀県大津市で9月20日開かれた。このイベントは毎年横浜市で開催されているが、今年は初めて大津市でも開かれることになった。
会場のびわ湖ホールで来場者は、専門家の講演や全国の城の写真や模型の展示を楽しんだ。講演会は定員を半分の350人に制限して、入れ替え制で開かれた。講師の滋賀県立大学の中井均教授が近江八幡市に築かれた観音寺城などの山城について講演した。イベントは21日も開かれた。
盗まれたガリレオ、ニュートンの著書をルーマニアで発見
ルーマニアの地元メディアによると、3年前に英国で盗まれた17世紀に科学者ガリレオ・ガリレイやアイザック・ニュートンが著した書籍の初版本などおよそ200冊が、ルーマニアの住宅の床下から見つかった。
英国では同じ手口による貴重な文化財を狙った窃盗事件が相次いでいて、警察はこれまでにルーマニアの犯罪集団の13人を逮捕・起訴している。これらの本は3年前、英国のオークションにかけられるため、ロンドン西部の倉庫で保管されていたところ、屋根に穴が開けられ、侵入者を探知するセンサーをかいくぐる形で盗まれたという。
警察は被害額について、盗難に遭った書籍類は250万ポンド、およそ3億4,000万円相当の価値があるとしている。