中国 南太平洋10カ国との安保協定で合意失敗

中国の王毅国務委員兼外相は5月30日、訪問先のフィジーで南太平洋を中心にした10カ国と外相会議を開いた。国内外のメディアによると、この会議で中国は10カ国と安全保障、警察、貿易、データ通信、インフラ整備などで協力する協定案を示したが、合意に至らず、継続協議となり不調に終わった。

日本・マレーシア首脳 法の支配で秩序維持を確認

岸田首相は5月27日、首相官邸でマレーシアのイスマイルサブリ首相と会談し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持する重要性を確認した。中国による南シナ海での人工島建設や、中国とマレーシアの間の領有権問題を念頭に置いたもの。
岸田氏は、東・南シナ海での力を背景とした一方的な現状変更の試みに強い反対を表明。両氏はロシナのウクライナ侵攻に関し、いかなる国に対する侵略も認められないとした。
また両氏は、米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)の始動を歓迎。「自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて協力していきたい」と語った。

WHO総会 ロシア非難決議を採択 医療施設攻撃

世界保健機関(WHO)の総会は5月26日、ロシア軍によるウクライナの医療関連施設などへの攻撃を強く非難する決議を採択した。ウクライナの人々の健康に深刻な傷害をもたらしていると指摘し、医療従事者や患者、人道支援関係者の保護を求めている。
決議は日本、米国、欧州諸国が提案。賛成88票、ロシアや中国などの反対が12票だった。

ASEANとの関係強化へ 来年新ビジョン 首相表明

岸田首相は5月26日、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の関係強化に向け、新たな関係の方向性と協力のビジョンを来年打ち出すことを表明した。企業間交流も活発化させ、双方の企業による協業を毎年100件以上生み出すとの目標も示した。アジアの経済展望をテーマにした東京都内での講演で明らかにしたもの。

日系自動車5社 バリ島で電動車普及へ共同事業

トヨタ自動車、三菱自動車、日産自動車、三菱ふそう、いすゞ自動車のインドネシア現地法人5社は5月24日、脱炭素へ電動車の普及に向けた共同プロジェクト「EVスマートモビリティ・ジョイントプロジェクト」をインドネシア・バリ島で実施すると発表した。
同プロジェクトは20カ国・地域首脳会議が開かれる7月に実施する予定。広く電動車の認知度を高めるほか、エコツーリズムを通じて観光産業の回復を支援する。各社が水素燃料電池車(FCV)、バッテリー式電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)など多様な電動車ラインアップを揃える。

首相 23年のG7サミット「広島開催」を表明

岸田首相は5月23日、2023年に日本で開催する主要7カ国首脳会議(G7サミット)について、バイデン米大統領に「広島で開催し、成功に向けてともに取り組むことで確認した」と明らかにした。
岸田氏は「G7首脳とともに平和のモニュメントの前で、平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したい」と強調した。

米バイデン氏提唱のIPEF 日本など13カ国が参加

岸田首相は5月23日、バイデン米大統領が唱える「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を歓迎し、日本の参加を表明した。また、米国が「環太平洋経済連携協定(TPP)に復帰することを期待している」とも述べた。このほか、7月に経済閣僚同士の会合「2+2」を実施することでも一致したと説明した。
IPEFの発足メンバーは米国、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの13カ国。

バイデン氏「日本の常任理事国入り」支持 首脳会談

初の本格的な首脳会談に臨んだ岸田首相とバイデン米大統領は5月23日午後、東京・元赤坂の迎賓館で共同記者会見した。
この要旨は①力を背景とした現状変更の試みはいかなる場所であれ断じて許容できず、強く反対する②人権問題を含めた中国をめぐる諸課題への対応に引き続き日米で緊密に連携していく③北朝鮮の核・ミサイル問題に深刻な懸念を共有し、日米、日米韓の連携を一層強化する④地域情勢の厳しさが一層増す中、日米同盟の抑止力、対処力を早急に強化する必要があると再確認した-など。
このほか、北朝鮮による拉致問題の即時解決に向け、岸田氏はバイデン氏に全面的な理解と協力を求め、支持を得た。また、日本の防衛力を抜本的に強化し、裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明し、バイデン氏の支持を得た。日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りについて、バイデン氏から支持を得たと表明した。