コロナ禍でパート女性90万人が実質”失業状態” 野村総研推計

野村総合研究所の推計によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、パートやアルバイトとして働く女性1,163万人のうち、少なくとも7.7%にあたる90万人が「実質的な失業状態」にある。
総務省の労働力調査によると、2020年11月の女性の完全失業者数(原数値)は72万人。これに実質失業者数を加えると計162万人となり、女性の失業率は2.3%から5.2%まで跳ね上がる。
調査は同研究所が2020年12月、20~59歳のパート・アルバイト女性約5万6,000人にアンケートを実施した。

20年上場企業「早期・希望退職募集」2.6倍の93社 リーマンS以来

東京商工リサーチのまとめによると、2020年に早期・希望退職募集を開示した上場企業は93社に上った。募集企業数はリーマン・ショック直後の2009年の191社に次ぐ高水準。前年の35社から2.6倍に急増した。募集人員は判明した80社で1万8,635人を数え、2012年の1万7,705人を超え、企業数と同様、2009年に次ぐ水準。業種別ではアパレル・繊維製品が18社で最多。次いで自動車関連と電気機器の各11社が続いている。
募集人員は、最多が日立金属の1,030人、レオパレス21の1,000人、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの900人、ファミリーマートの800人など。500人以上の募集は計12社。一方、募集人数300人以下は66社(構成比70.9%)と7割を占めた。
新型コロナウイルス感染拡大による打撃で業績が悪化、赤字・リストラによる立て直し策の一環。

日本 インドとの「特定技能」の適正な運用の連携で協力覚書

日本政府は1月19日、インド政府との間で「特定技能」に係る制度の適正な運用のための連携の基本的枠組みに関する協力覚書を締結したと発表した。この協力覚書は、両国が一定の専門性・技能を有する特定技能外国人の円滑かつ適正な送り出し、受け入れの確保(とくに悪質な仲介事業者の排除)および特定技能外国人の日本での就労における問題の解決等のための情報連携および協議の基本的枠組みを定めている。

20年「休廃業・解散企業」14.6%増の4万9,698件で最多

東京商工リサーチのまとめによると、2020年(通年)に全国で休廃業・解散した企業は前年比14.6%増の4万9,698件だった。これまで最多だった2018年の4万6,724件を上回り、2000年に調査を開始して以降、最多を記録した。
2020年の企業倒産はコロナ禍で政府、自治体、金融機関の資金繰り支援策が奏功し、前年比7.2%減の7,773件と2年ぶりに減少しただけに、対照的な結果となった。これにより休廃業・解散と倒産の合計は5万7,471件に達した。
休廃業した企業の代表者の年齢をみると、70歳代が41.7%、60歳以上が84.2%と8割を超えた。

老人福祉・介護事業の20年倒産118件で過去最多 コロナも影響

東京商工リサーチのまとめによると、2020年(1~12月)の「老人福祉・介護事業」の倒産は118件に達し、介護保険法が施行された2000年以降、過去最多だった2017年と2019年の111件を上回った。新型コロナウイルス関連倒産も7件発生。人手不足などで経営不振が続く小規模事業者に加え、新型コロナの影響が件数を押し上げた。
業種別では、「訪問介護事業」が56件(構成比47.4%)と半数近くを占め、深刻なヘルパー不足が影響した。次いで、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」の38件(同32.2%)。
負債額1億円未満が94件(構成比79.6%)、従業員5人未満が79件(同66.9%)、設立10年未満が65件(同55.0%)と資金力の脆弱な小規模零細事業者の倒産が大半を占め、”息切れ倒産”が目立った。
一方、負債総額140億1,300万円で前年比13.3%減少した。

再春館S ベトナムIT人材育成 フエ科学大学とインターンシップ提携

再春館システム(本社:東京都港区)は1月7日、ベトナムのグループ企業、再春館システムベトナム有限会社(本社:ハノイ、以下、再春館システムベトナム)と、ベトナムのフエ科学大学との間でインターンシップ受け入れに関する提携を開始すると発表した。これにより、現地の若手IT人材の育成・獲得を強化、より地域に密着した形での開発体制を構築するとともに、2年後までにフエでの開発スタッフ100名体制を目指す。
フエはIT振興やスマートシティ化が計画されているなど、ベトナムにおける次のIT推進都市と考えられている。学園都市フエの中でもフエ科学大学は随一のITを取り扱う大学として注目されている。

コロナで解雇・雇い止め8万人超え 緊急事態宣言で急増を懸念

厚生労働省は1月7日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う解雇や雇い止めが見込みを含めて1月6日時点で8万121人に上ったと発表した。こうした中、首都圏の1都3県に1月8日から2月7日までの期間、緊急事態宣言が再び発令されることで経済活動が滞り、さらに首都圏を中心に解雇・雇い止めが急増する可能性がある。
解雇・雇い止めの推移をみると、最多は緊急事態宣言が発令されていた5月の1万2,949人。以降、9月までは1カ月あたり1万人程度だったが、10月以降はやや増加ペースが鈍化していた。しかし、首都圏では2回目の緊急事態宣言で持ちこたえられなくなる事業者のもとで、解雇・雇い止めのヤマができることが懸念される。