5月の貿易赤字1兆3,725億円, 22カ月連続赤字も前年より42%縮小

財務省が6月15日発表した貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆3,725億円の赤字だった。赤字は22カ月連続だが、赤字幅は前年同月比で42%縮小した。
輸出額は前年同月比0.6%増の7兆2,926億円で27カ月連続で増加したものの、伸び率はこの期間で最も低かった。輸入額は同9.9%減の8兆6,651億円と2カ月連続で減少した。

22年のビザ発給 前年の14倍の129万件 水際対策緩和で3年ぶり増

外務省は6月16日、2022年の全在外公館の査証(ビザ)発給件数が前年比約14倍の129万4,148件だったと発表した。世界的な新型コロナ禍を経て増加は3年ぶり。水際対策緩和で、自国で待機していた留学生や技能実習生らの取得が増えた。ただ、新型コロナ禍前のピークの2019年と比べると6分の1にとどまっており、いぜん回復途上にある。
国・地域別のビザ発給件数は中国が18万6,577件で最多。以下、ベトナムの17万7,329件、フィリピンの13万4,607件、韓国10万4,937件、インドネシア9万2,663件、米国8万8,557件と続いている。
ビザ発給件数は新型コロナの感染拡大で2020年から激減。2021年はわずか約9万件にとどまり、記録が残る1999年以降で最低を記録している。

JAXA 由井飛行士を24年のISS長期滞在搭乗員に指名, 2回目滞在

JAXA(宇宙航空研究開発機構)は6月16日、2024年の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員として由井亀美也さん(53)を指名したと発表した。由井さんは2015年にISSに5カ月滞在しており2回目。滞在期間は約半年を予定。主要な任務として、長期滞在クルーとしてISSの日本棟「きぼう」を含むISS各施設の維持・保全・利用ミッション(科学実験等)を実施する予定。
なお、ISSでの日本人飛行士滞在ではこれに先立ち今回以降、古川聡さん(59)が飛行し、約半年間滞在する予定。

LGBT法成立 罰則がなく実効性の確保が課題 一部議員退席

LGBTなど性的少数者らへの理解増進法は6月16日、参院本会議で可決、成立した。自民党内の一部の議員が採決時、退席した。これは罰則のない理念法で、「性的指向やジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならない」と明記した。性的指向などに特化して差別を否定する法律はこれまでなかった。ただ罰則規定がないため、実効性の確保が課題との見方も出ている。

処罰要件を明確化した「不同意性交罪」可決, 成立 盗撮も撮影罪で

強制性交罪などの性犯罪規定を見直し、処罰要件を明確化し「不同意性交罪」に名称変更した改正刑法が6月16日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。性交同意年齢を13歳から16歳に引き上げ、16歳未満への行為を処罰する。また、性的部位や下着などの盗撮も「性的姿態撮影罪」として新設した。

東京工業大 土星の衛星に多量・高濃度のリン発見 生命育む可能性

東京工業大学の関根康人教授らのグループは、土星の衛星「エンセラダス」(直径約500km)の地下にある海から噴出される水にリンが多く含まれることを発見した。リンはDNAや細胞膜をつくるのに必要で、地球の生命に似た生命が育まれている可能性もあるという。研究成果が6月15日、英科学誌ネイチャーに掲載された。
米航空宇宙局(NASA)などの土星探査機「カッシーニ」に搭載された分析機で、衛星の地下海から噴出する微粒子を解析した。その結果、リンの濃度が地球の海水と比べて数千〜数万倍であることが分かった。リンが高濃度で存在する場所を地球外で見つけたのは初めて。

5月三大都市圏のバイト時給2.4%上昇 飲食と深夜帯に求人旺盛

リクルートがタウンワークなどの掲載情報をまとめた、5月の三大都市圏(首都圏、東海、関西)のアルバイト・パート募集時平均時給は、前年同月比27円(2.4%)高の1,150円だった。新型コロナウイルス感染症法上の「5類」移行により、飲食店の営業時間が広がり、深夜帯の求人が旺盛だった。訪日外国人客の増加を見込んだ求人意欲も反映した。
職種別では飲食店など「フード系」が1,111円と56円(5.3%)上昇し、3カ月連続で過去最高を更新した。「販売・サービス系」でコンビニスタッフが35円(3.5%)高、「アパレル販売」が42円(4.1%)高となった。観光ホテルの「製造・物流・清掃系」は34円(3.0%)上昇し1,154円となった。

UNHCR 増え続ける世界の避難民 推計1億1,000人に 初の1億突破

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は6月14日、紛争や迫害で自国外へ逃れた難民や国内避難民などの総数が、6月5日時点で1億1,000万人に達したとの推計を発表した。世界の避難民は過去最多の更新が続いており、2022年2月に始まったロシアの軍事侵攻を受けるウクライナはじめとして、初めて1億人を突破。2023年に入り、さらに膨らんでいる。グランディ難民高等弁務官は、日本に対し難民の受け入れ拡大を求めている。