袴田さん無罪確定 再審 検察が控訴断念 検察 苦渋の撤退

1966年におきた静岡県一家4人殺害事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)を再審無罪(求刑・死刑)とした静岡地裁判決について、検察当局は10月8日、控訴を断念したと発表した。逮捕から58年を経て、袴田さんの無罪が確定した。
ただ、検察当局は同日、異例の検事総長談話を発表。静岡地裁判決の「証拠捏造」の認定への強い不満をにじませ、「判決は到底承服できないもので、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容だ」とした。だが、再審手続きに40年超を要している状況を重くみて、「撤退」を判断した。