災害時 安否不明者氏名 家族の同意なしに公表可能に

災害時の情報提供を呼び掛けるため、国は家族の同意がなくても安否不明者の氏名などを公表できるなどとする全国共通の指針を初めてまとめた。とくに救助活動に必要な場合は、速やかな公表を行うべきだとしている。
プライバシーの保護を巡って自治体ごとに判断が分かれてきた。近年は不明者の氏名を非公開とするケースも相次いでいる。

75歳以上「認知症の疑い」の63%が免許継続断念

警察庁のまとめによると、75歳以上が免許更新や信号無視などの交通違反の際に義務付けられている認知機能検査で、2022年「に「認知症の恐れあり」と判定された3万1,400人のうち、63%にあたる1万9,790人が免許継続を断念したことが分かった。
断念した人の内訳は自主返納が1万3,293人で最多。更新せず失効したのが5,679人、医師に認知症と診断され取り消しなどになったのが818人だった。

ドバイで日本馬躍動 ウシュバテソーロ WCを制覇

競馬のドバイ国際競走は3月25日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのメイダン競馬場で日本馬も数多く参戦し、行われた。メインのドバイ・ワールドカップ(G1、2000m、ダート)でウシュバテソーロ(川田将雅騎乗)が優勝し、1着賞金696万ドル(約9億2,000万円)を獲得した。日本馬が同レースを制したのは2011年のヴィクトワールピサ以来2度目。
イクイノックス 圧巻のドバイ・シーマC制覇 G13勝目
ドバイ・シーマクラシック(G1、2410m、芝)は2022年の年度代表馬イクイノックス(クリストフ・ルメール騎乗)が圧巻の強さをみせ、完勝した。この結果、同馬は天皇賞y・秋、有馬記念に続くG13勝目を挙げた。
ドバイ・ターフ(G1、1800m、芝)ではダノンベルーガが2着に入った。このほか、GⅡレースではUAEダービー(1900m、ダート)で、デルマソトカゲ(クリストフ・ルメール騎乗)が優勝するなど、上位4頭を独占した。

2月中途求人倍率2.15倍 転職希望増で2カ月連続低下

パーソルキャリア(所在地:東京都千代田区)によると、2月の中途採用求人倍率は前月比0.19ポイント低い2.15倍だった。前月を下回るのは2カ月連続。新型コロナウイルス対策の緩和とともに、転職を希望する人の動きが増えているため。
求人数は13業種すべてで前月を上回り、全体でも3.5%増えた。一方、転職希望者数も前月比12.6%増と大幅に伸びたため、倍率が押し下げられた。

22年の外国人労働者5.3%増の182万人余で過去最多

厚生労働省が発表した2022年10月末現在の外国人雇用状況(届け出)によると、外国人労働者数は前年比5.3%増の182万2,725人で、届け出が義務化された2007年以降で過去最多を更新した。新型コロナウイルス禍でこの2年間は横ばいの微増にとどまっていたが、水際対策の緩和を受け、再び前年比5%を超える増加に転じた。一方で2021年に初めて減少した「技能実習生」は2年連続で減少している。
国別ではベトナムが最多の46万2,384人、中国が38万5,848人で続いている。雇用先は製造業や介護分野が多い。3番目はフィリピンの20万6,050人、4番目はブラジルの13万5,167人、5番目のネパールは11万8,196人で、初めて10万人の大台を突破した。
在留資格別では「身分の基づく在留資格」(永住者・日本人の配偶者など)が59万5,207人と全体の32.7%を占め最多。次いで「専門的・技術的分野」が47万9,949人、「技能実習」が34万3,254人、「留学などの資格外活動」が33万910人と続いている。

京都市「空き家税」全国初導入へ 総務相創設に同意

総務省は3月24日、京都市が導入を目指す空き家への課税、「空き家税」の創設に松本剛明総務相が同意したと発表した。これにより京都市で2026年以降、全国の自治体で初めて空き家所有者に、独自の居住者のいない住宅の所有者に課税する法定外税が課されることになる。
これは深刻な空き家対策および住宅不足対策の一環として設けられるもので、課税を避けるための売却や賃貸を促し、同市の課題となっている住宅不足を解消するのが狙い。京都市は現時点で約1万5,000戸が課税対象とみており、固定資産税のデータや現地調査などで特定を進める。

キトラ古墳・石室に3つの壁画を新たに確認 X線で

東京都内で3月23日開かれた文化庁の検討会で、奈良県明日香村のキトラ古墳について、石室の壁をエックス線を使って分析したところ、十二支の「巳(み)」とみられるヘビをかたどった像など3つの壁画が描かれていたことが新たに確認されたことが明らかにされた。
今回十二支の「辰(たつ)」と「巳(み)」「申(さる)」にあたる場所に、顔料の成分とみられる水銀や銅の反応が検出されたという。東京大学の増記隆介准教授は「泥の下にあるものが、よくここまで形として把握できたと思う。キトラ古墳の壁画がどういったものかを考える重要な成果だ」と話している。
キトラ古墳は7世紀末から8世紀初めのころの飛鳥時代に築造されたとされる円形の古墳。40年前(1983年)の調査で石室の内部に極彩色の壁画が描かれていることが分かった、高松塚古墳に続く国内2例目の古墳。

25年万博で関西広域観光推進へEXPO協議会設立

経済団体や自治体などでつくる関西観光本部(理事長:松本正義・関西経済連合会会長)は3月23日、2025年の大阪・関西万博に向け、広域観光を推進する団体「EXPO(エキスポ)2025関西観光推進協議会」を設立した。
同協議会には関経連のほか、近畿2府4県と福井県、三重県、鳥取県、徳島県の10府県、JR西日本、近鉄グループホールディングス、民泊仲介大手の米エアビーアンドビーの日本法人など民間企業6社が参加する。
2025年までの3年間、万博に対応した旅行商品の提案や、関西の魅力をアピールする様々な情報配信に取り組む。

神戸大 絶滅したはずの植物 約30年ぶりに発見

神戸大学の研究グループは兵庫県三田市の森で、絶滅したと思われていた植物「タヌキノショクダイ」の仲間を、およそ30年ぶりに発見した。今回確認されたのは大きさ1cmほどの植物「コウベタヌキノショクダイ」で、この植物は2021年5月、同グループが別の植物の調査を行っていたところ偶然見つかり、詳しく解析した結果、分かったもの。
タヌキノショクダイは光合成をせず、キノコやカビなどの菌類から栄養を得て育つという特殊な性質を持っていて、海外ではガラス細工のような美しい花の形状から「妖精のランプ」とも呼ばれている。

滋賀で「ミナミヌマエビ」約100年ぶりに生息確認

京都大学の研究グループによると、滋賀県内の複数の川で「ミナミヌマエビ」が採集され、およそ100年ぶりに生息が確認された。体長およそ2cmの淡水に生息するミナミヌマエビは西日本の河川や沼などに生息しているが、環境の悪化で数が減少。滋賀県では1915年に採集された標本を除いて記録はなく、すでに絶滅したと考えられていた。
草津市にある琵琶湖博物館ではおよそ30匹のミナミヌマエビが展示されていて、水槽の中を泳ぎ回ったり、コケなどのエサを食べたりする様子を見ることができる。ミナミヌマエビの展示は5月14日まで。