全国44の国立大学附属病院の病院長でつくる国立大学病院長会議は7月9日、都内で会見を開き、昨年度の決算が過去最大となる285億円の赤字となったとする調査結果(速報値)を公表した。赤字となった病院は全体の7割近い29病院に上っており、大学病院としての事業の存続が危ぶまれる状況だとしている。
国立大学病院の経営は、前の年度におよそ60億円の赤字となり、初めて赤字に転落し、昨年度はさらに悪化、大幅な減益となった。昨年度は前の年度に比べ、収益は547億円増加した一方、医薬品や材料費、診療経費、人件費などが合わせて772億円増えた。物価や人件費の上昇に、診療報酬などの収入が追いついていないという。
25年1〜6月倒産12年ぶり5,000件超 小規模,サービス業目立つ
帝国データバンクのまとめによると、2025年1〜6月の全国企業倒産件数は、前年同期比2.4%増の5,003件に上り、3年連続で前年を上回った。上半期としては2013年(5,310件)以来、12年ぶりに5,000件を超える高水準となった。
負債総額は同0.5%減6,776億8,700万円となり、上半期としては3年連続で前年を下回った。負債額の規模「5,000万円未満」が全体の63.2%を占め、小規模の倒産が目立った。
業種別にみると、全7業種中4業種で前年を上回った。中でもサービス業が同8.2%増の1,329件で最も多く、2000年以降で最多を更新した。
このほか、①ゼロゼロ融資倒産は316件判明し、3年連続で300件を超えた②人手不足倒産は202件判明し、集計開始以降、初めて200件を超えた③後継者難倒産は267件判明し、4年連続で250件を超える高水準④物価高倒産は449件判明し、2年連続で400件を超えたーーなどが特徴。
正倉院の香木「蘭奢待」伐採は8〜9世紀 年代測定で判明
宮内庁正倉院事務所(所在地:奈良市)は7月8日、正倉院に伝わる宝物で、天下人直前だった織田信長らが一部を切り取ったとされる香木「黄熟香(おうじゅくこう)」(蘭奢待=らんじゃたい)の伐採年代が、放射性炭素年代測定で8世紀後半〜9世紀末ごろと分かったと発表した。また今回、香りには古代から香料などに使われ、甘くスパイシーな匂いとされる「ラブダナム」に似た成分も含まれていたことが分かった。
蘭奢待はジンチョウゲ科の植物の幹部分で、長さ約1.56m、重さ11.6kg。正倉院宝物となった時期は不明。以前行われた成分分析で、ラオスやベトナムなどインドシナ半島頭部山岳地帯で算出されたものに近いとされている。蘭奢待は、室町幕府八代将軍・足利義政、織田信長、明治天皇が一部切り取ったと伝わっている。