G7 香港議会選に「深刻な懸念」表明 高度な自治侵害

日米欧の主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)の外相は12月20日、19日投票の香港立法会(議会、定数90)の選挙結果を受けて、「選挙制度の民主的要素が侵害されていることに深刻な懸念を表明する」とした共同声明を発表した。中国政府と香港当局に対し、政治への信頼を回復させ、自由や権利を擁護する人への不当な弾圧を終わらせるよう求めた。現実には事実上崩壊しつつある「一国二制度のもとでの香港の高度な自治を傷つけた」と批判した。
19日の香港の選挙結果は、親中派が議席の99%にあたる89議席を得た。投票率は過去最低だったが、議会は親中派一色になった。

政府「こども家庭庁」創設 基本方針を閣議決定 令和5年創設

日本政府は12月21日、子ども関連政策の司令塔となる「こども家庭庁」の創設に向けた基本方針を閣議決定した。こども家庭庁は、首相直属の内閣府の外局として設置し、各省庁に対し、子ども政策の改善を求める「勧告権」を持つ専任の閣僚を置く。2022年の通常国会に関連法案を提出し、令和5年度のできるだけ早期の創設を目指す方針。
政府の子ども政策を一元的に推進。保育所に関する施策や児童虐待対策を担う厚生労働省の子ども家庭局などの業務が、こども家庭庁に移管される。幼稚園の幼児教育などは文部科学省に残るが、幼稚園教育要領と保育所保育指針を文科省とこども家庭庁が共同で策定、告示するとしており、実質的な幼保一元化を図る。野田聖子こども政策担当相は「『こどもまんなか』という社会変革のために政府を挙げて取り組む」としている。

日本人の「健康寿命」さらに延びる 男性72.68歳,女性75.38歳

厚生労働省は12月20日、介護を受けたりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2019年は男性72.68歳、女性は75.38歳だったと公表した。前回調査の2016年の男性72.14歳、女性74.79歳から、男性は0.54歳、女性は0.59歳それぞれ延びた。
健康寿命は3年ごとに数値を公表。2019年は平均寿命との差が男性は8.73歳、女性は12.07歳となり、初公表の2010年以降、縮小傾向が続いている。
都道府県別で健康寿命が最長だったのは、男性が大分県の73.72歳、女性は三重県の77.58歳、最短は男性が岩手県の71.39歳、女性が京都府の73.68歳だった。

M9級日本海溝・千島海溝地震で死者最大19.9万人 政府想定

内閣府の有識者検討会は12月21日、岩手県沖から北海道沖にまたがる「日本海溝・千島海溝」を震源域とするマグニチュード(M)9クラスの最大級の地震が起きた場合、最大19万9,000人が死亡するとの被害想定を公表した。
北海道(13万7,000人)、東北(青森4万1,000人、岩手1万1,000人、宮城8,500人など)で甚大な被害が見込まれている。これらほぼ全員が津波によって死亡するとしている。一方、津波避難ビルやタワーの活用・整備、早期避難の徹底などにより、死者は3万人まで減らせるとも試算している。

大阪IR 29年秋にも開業 関西企業20社出資 国に整備計画公表

大阪府と大阪市は12月21日、誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)で国に提出する区域整備計画を公表し、施設の開業時期について2029年の秋から冬ごろと初めて示した。関西企業など20社の参加も盛り込んだ。建設予定地の人工島「夢洲」の周辺では土壌改良や液状化対策も必要で、大阪市が約790億円を負担する。府・市は納付金や入場料として毎年約1,060億円の収入を見込む。
府・市が同日、大阪市内で開いた副首都推進本部会議で計画を公表した。開業時期はこれまで2020年代後半としか示していなかった。大阪IRの事業者は米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスなどの共同グループ。初期投資額は約1兆800億円の計画で、うち約5,300億円はMGM、オリックスと関西企業など20社の出資を充てる。関西電力やパナソニック、JR西日本などが出資する予定。

米新規感染者の73%がオミクロン株 1週間で6倍に急増 CDC

米疾病対策センター(CDC)に12月20日時点の集計によると、12~18日の週に新型コロナウイルスに感染した人の73.2%が変異株の「オミクロン株」だった。その前の週(5~11日)はオミクロン株の割合は12.6%だったから、1週間で6倍近くに急増した計算になる。変異株が急激に変わっていくケースはこれまでにもみられた。11月最終週の時点では99%以上がデルタ株で、ウイルスが急速に置き換わる形でコロナの感染が広がっている。

タイの日本食店4,370店 9年連続増 地方初めてバンコク上回る

日本貿易振興機構(ジェトロ)バンコク事務所のまとめによると、2021年のタイにおける日本食レストラン店舗数が前年比6.7%増の4,370店となり、9年連続増加したことが分かった。首都バンコクの店舗数が減少に転じる一方、バンコク以外の地方では低価格帯のすし店やラーメン店が増加。2007年の調査開始以来初めて、地方の店舗数がバンコクを上回った。
地域別にみると、バンコクは2%減の2,073店舗だった。バンコク以外の地方は2,297店舗で16%増えた。業種別で最も出店数が増えたのはすし店で、342店舗増加した。2021年に新規開業した店の約4割がすし店だった。総合和食やラーメンも店舗数が増えた。

前澤友作さん 地球に帰還 日本の民間人初のISS滞在終え

日本の民間人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)に12日間滞在していた実業家の前澤友作さんが12月20日、無事、地球に帰還した。モスクワの宇宙飛行管制センターによると、前澤さんが乗ったソユーズ宇宙船(帰還モジュール)は、日本時間正午過ぎにカザフスタン中部に着陸。

技能実習生送り出し機関で不正横行 越側の認定取り消し2件

法務省と厚生労働省が所管する「外国人技能実習機構」が作成した資料によると、日本で外国人技能実習生が最も多いベトナムの送り出し機関を巡り、これまでに日本側が高額な手数料の徴収疑いなど79件の不適切事例をベトナム政府に通報したものの、同国側が認定を取り消したのはわずか2件にとどまることが分かった。
両国は2017年、不適切事例は通報するなどとした技能実習制度に関する協力覚書を締結しているが、資料では通報しても調査が徹底されない状況を問題視。来日時に高額な借金を背負った結果、失踪する実習生が多いとされ、覚書が全く形骸化しているとの指摘もある。資料は制度を監督する機構が受け入れ状況をまとめ、2021年4月に作成。2月時点で427の送り出し機関がベトナム政府から認定されている。
出入国在留管理庁の2021年6月末時点の統計によると、国内の技能実習生は計約35万4,000人で、うちベトナムからの実習生は約20万2,000人に上っている。

3大都市圏でアルバイト・パート時給3カ月連続過去最高

リクルートのまとめによると、企業が3大都市圏でアルバイトやパートを募集する際の平均時給が、11月は3カ月連続で過去最高となった。コロナ禍で営業自粛していた飲食・居酒屋などが営業再開に向け、積極的に人手確保に動いていることと、都道府県ごとの最低賃金が10月から引き上げられたため。
首都圏、東海、関西の3大都市圏の11月の平均時給は1,108円となり、平成18年の調査開始以来最も高かった10月を5円上回り、3カ月連続で過去最高を更新した。
職種ごとに時給の上げ幅をみると、「営業系」が53円と最も大きく、次いで「フード系」が31円、デリバリーをはじめ「製造・物流・清掃系が26円などとなっている。また、都内の一部店舗では「フード系」で1,400円超でのバイト争奪戦が繰り広げられているという。