財務省が11月17日発表した10月の貿易統計によると、輸出額は7兆1,840億円で前年同月比で9.4%増え、8カ月連続で増加した。一方、原油価格の上昇などで輸入額は7兆2,514億円で同26.7%増加した。この結果、輸出から輸入を差し引いた10月の貿易収支は674億円の赤字となった。貿易収支の赤字は3カ月連続。
自動車輸出は36.7%減の6,692億円だった。ただ、米国向けの半導体製造装置(72.1%増)やパワーショベルなどの建設用・鉱山用機械(49.6%増)などが輸出額を押し上げた。
仕向け先別にみると、アジア向けは15.0%増の4兆2,447億円で、この地域向けでは統計を遡れる1979年1月以降で過去最高の輸出額となった。米国向けは0.4%増の1兆3,030億円、中国向けも9.5%増の1兆5,968億円だった。
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東京医科歯科大 認知症の脳の炎症の仕組み マウス実験で解明
東京医科歯科大学の研究グループはマウスを使った実験で、アルツハイマー病患者の脳に蓄積するたんぱく質「アミロイドベータ」と「タウ」のうち、「タウ」が脳の炎症を引き起こす仕組みを解明したと発表した。
マウスの脳にタウを注入すると、炎症が起きて認知機能が悪化するが、タウは脳の中で免疫の役割をしている細胞の中に入り、「PQBP1」と呼ばれる別のたんぱく質が結び付くことで、炎症を引き起こしていることが分かったという。さらに薬剤を使ってPQBP1が出ないようにしたマウスでは、タウを注入しても炎症は起きず、マウスは迷路を使った実験で、一度通った通路を記憶するなど、認知機能は通常の状態と変わらなかった。
今回解明されたメカニズムを活用し、ヒトでも脳内の炎症反応を抑えることができれば、将来アルツハイマー病などの治療につながると期待されるとしている。
大阪・造幣局で「貨幣大試験」硬貨12種類対象に重さ検査
大阪・造幣局(所在地:大阪市北区)で11月15日、五百円などの硬貨が定められた重さでつくられているか検査する、毎年秋恒例の「貨幣大試験」が行われた。
近大通貨制度150周年を記念して行われた今回は、一円から五百円までの6種類の硬貨や11月から発行が始まった新しい五百円硬貨など合わせて12種類が対象となった。
試験では、過去1年間に製造された硬貨の中から、あらかじめ抜き取って保管していた2万6,250枚を、職員が次々と天秤にかけ計っていく。その結果、いずれの硬貨も基準内の誤差に収まっていることが確認された。
貨幣大試験は、貨幣にばらつきがないことを確かめ、信頼を維持するために明治5年から始まった。
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中国・大連で8日間コロナ累計感染者215人,港湾・物流に影響
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国の遼寧省衛生健康委員会は11月11日、大連市内で新型コロナウイルスの新規感染者52例、無症状感染者5例を確認したと発表した。この結果、11日までの8日間の累計感染者135人、無症状感染者80人となった。省政府当局は全市民のPCR検査を始めている。
大連市はコールドチェーンを利用した水産品の全国最大の輸入港で、国内輸入量の約70%が同港で検査手続きを受け、輸入されている。同時に低温倉庫を擁する輸送基地でもあり、容量は計40万トンで国内最大。
今回の感染拡大を受け、大連市市場監督管理局は11月8日、コールドチェーン輸入関連の指定倉庫、食品生産企業や販売企業、飲食業に対し、営業の一部停止を通告した。大連の水産品企業によると、現時点では大連港の通関や荷役は機能しているもようだが、省政府が指定倉庫の出入庫を停止しているため、輸入が事実上ストップしている。
また、市内の感染拡大により、大連市外へのトラック輸送でも大きな支障が出ており、大連市を起点とする多くの物流業者が輸送の受託を停止しているとみられる。