「結束して重大な懸念」香港の選挙制度変更でG7外相が声明

カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7外相およびEU上級代表は3月13日、中国当局が香港における選挙制度の民主的要素を根本的に損なう決定を行ったことについて、「結束して重大な懸念を表明する」との声明を発表した。
全国人民代表大会によって議決された一連の変更は、民主派活動家・政治家の一斉逮捕と相まって「一国二制度」の原則の下での香港の高度な自由を損なうものである。今回の変更は、政治的多様性を抑圧するものであり、英中共同声明で保障された権利である言論の自由を縮小させるものである。香港の安定と繁栄を確保するための方法は、異なる意見を議論することであり、それを封殺することではない。
我々は中国および香港当局に対し、民主的価値並びに権利および自由の擁護を促進する人々に対する不当な抑圧を止めるよう求めるとしている。

「大阪・関西万博」に新たにブラジルなど7カ国の参加表明

井上万博担当相は3月12日、2025年「大阪・関西万博」に新たにブラジル、アフガニスタンなど7カ国から参加表明があったと発表した。今回参加の表明があったのは既述の2カ国のほか、ウズベキスタン、セネガル、バーレーン、ブルキナファソ、レソトの5カ国。この結果、万博への参加表明は先に公表されたギリシャなどと合わせ14カ国と2つの国際機関となった。
日本政府は150カ国と25の国際機関の参加・招請を目指しており、引き続き積極的に参加を要請していきたいとしている。

中国 全人代 香港の選挙制度見直し案可決「1国2制度」死文化

中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は3月11日、香港の選挙制度を見直す「決定案」を可決し、閉会した。香港政治から民主派を徹底的に排除し、民意を反映させる余地を大幅に削除するものとなった。これに伴い、香港に高度な自治を自治を認めた「1国2制度」は死文化することになった。香港メディアによると、4月までに全人代常務委員会を開き、改めて詳細を審議する。

東日本大震災の農林漁業被害2.4兆円 阪神大震災の約26倍

農林水産省の集計によると、東日本大震災による農林漁業への被害額が計2兆4,426億円に達したことが分かった。3月11日までの集計によるもので、避難指示が解除された福島県の一部地域で調査が進み、今年に入り約600億円増えた。
この被害額は阪神大震災の約26倍、新潟県中越地震の約18倍に上るが、発生10年を経て、なお全容は掴めていない。

20年の児童虐待摘発2,133件で過去最多 8割は「身体的虐待」

警察庁のまとめによると、全国の警察が2020年に摘発(逮捕・書類送検)した児童虐待事件は、前年比161件増の2,133件だった。被害にあった18歳未満の子どもは同181人増の2,172人で、ともに過去最多だった。
被害の内訳は、体を傷つける「身体的虐待」が8割を占める1,775人。以下、「性的虐待」300人、暴言などの「心理的虐待」53人、「育児放棄(ネグレクト)」44人と続いた。
警察が虐待の疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した子どもの数は同8.9%増の10万6,991人で、16年連続で増えた。

中国「今後6年で台湾侵攻の恐れ」米インド太平洋軍司令官

米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は3月9日、上院軍事委員会の公聴会で証言し、急速に軍事力を増強する中国が「今後6年で台湾に侵攻する恐れがある」との認識を示した。中国が「国際秩序における米国の指導的役割を取って代わろうとしている」と危機感を露わにし、日本など同盟国との連携を深めて対抗する姿勢を示した。

英変異ウイルスの致死率1.16倍 大学研究チームが英医学誌に発表

AFP時事によると、新型コロナウイルスの英変異株は致死率が従来株に比べ64%高いとする論文が3月10日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に発表された。
英セクター大学などの研究チームが、英国で2020年10月から2021年1月までの期間に、病院以外の検査所や自宅で新型コロナウイルス検査を受けて陽性になった約5万5,000人について、28日間にわたり追跡調査を実施。年齢や性別、人種などの要素を考慮したうえでデータを比較した。その結果、英国で確認された変異株B.1.1.7の致死率は1,000人当たり4.1人で、従来株の1,000人当たり2.5人と比べ64%高かった。

東日本大震災10年 いぜん避難者4万人余 なお復興途上

死者・行方不明者2万2,200人に上る戦後最大の自然災害となった東日本大震災は3月11日、10年の節目を迎えた。
福島県で東京電力福島第一原発事故による避難指示の解除が進んだが、帰還できない土地が残っている。全国に今も避難したままの人が4万1,241人いる。被災42市町村の人口は10年前に比べて4.3%減少した。様々な事情を抱え、人が戻りたくても戻れない、戻らない被災地は、10年の歳月を経てもなお復興途上である現実を突き付けている。
警察庁などのまとめによると、3月10日時点で死者1万5,900人、行方不明者2,525人で、その範囲は12都道県に及ぶ。また、復興庁などによると、避難生活の末に衰弱したり自殺した関連死は3,775人に上っている。

世界の19年家庭食品ごみ年5.7億トン 推計値の約2倍 UNEP

国連環境計画(UNEP)のまとめによると、世界各国の家庭から出る食品廃棄物の量は2019年で年間5億7,000万トン近くあり、これまで公表されていた推計値の約2倍に上るとみられる。
日本の家庭からの食品廃棄物は年間約816万トンで、1人当たり64kgと推計される。日本政府の17年度推計値783万トンより、かなり多い。この中にはまだ食べられる食品も多く含まれ、削減が急務と警告している。
小売りやレストランなどを含めた総量は推計9億3,100万トンで、世界の食料生産の17%が廃棄されている計算になる。