文部科学省は5月12日、2040年代前半の実現を目指し、大陸間で高速輸送できる宇宙旅客機を政府と民間企業で共同開発する方針を明らかにした。ロケット技術を生かして世界の主要都市間を2時間以内で移動できる手段で、日本発着ベースで40年に年間5兆円程度の市場規模になる可能性があると見込む。同日の有識者検討会で将来の宇宙輸送機に関するロードマップ(行程表)の中間案をまとめた。
ロードマップ2段階で構成。まず宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2021度中に1号機を打ち上げる新型ロケット「H3」の後継ロケットの打ち上げ費用を、機体の一部再使用化などによってH3(50億円以上)から半減。後継ロケットは1号機を30年ごろに打ち上げ、40年代前半には費用を10分の1程度まで下げることを目指す。
日本 北海道・岡山・広島に緊急事態,群馬・石川・熊本にまん延
日本政府は5月14日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、北海道、岡山、広島の3道県を緊急事態宣言の対象に追加し、群馬、石川、熊本の3県にまん延防止等重点措置を適用することを決めた。期間は宣言が5月16~31日、まん延防止措置が5月16~6月13日。
この結果、緊急事態宣言は現在発令中の東京、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6都府県を合わせ、16日からは9都道府県に拡大する。まん延防止措置は現在発令中の埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重、愛媛、沖縄に加え、16日からは10県となる。
インドなど3カ国からの入国制限強化 14日以降 原則入国禁止
日本政府は5月12日、変異株の流行などで新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なインド、パキスタン、ネパールから入国する外国人について、14日以降は在留資格を持っていても原則入国を禁止すると発表した。資格の有無にかかわらず、特段の事情がない限り入国を認めない。3カ国に滞在中の日本人は帰国できる。
20年度の旅行収支 前年度比89%減 2,645億円の黒字にとどまる
財務省のまとめによる2020年度の国際収支速報によると、訪日旅行客の消費から日本人が海外で使ったお金を差し引いた旅行収支の黒字額は2,645億円で、前年度比89.2%減少した。旅行収支は2014年度に黒字に転じて以降は黒字の拡大が続いており、初めて減少に転じた。コロナ禍で訪日客が激減したことが響いた。
勤務医ユニオンが東京五輪中止を要請「新たな変異株生む恐れ」
勤務医でつくる労働組合「全国医師ユニオン」は5月13日、東京都内で記者会見し、東京五輪・パラリンピックの中止を内閣府や厚生労働省に求めたことを明らかにした。世界から数万人の選手や関係者が集まれば、新型コロナウイルスの新たな変異株を生む恐れがあることなどを理由としている。
横浜市大 ワクチン接種者の9割が変異株の中和抗体の保有解明
横浜市立大学の研究チームは5月12日、現在接種が進められている新型コロナウイルスワクチンが、従来株のほか様々な変異株に対しても中和抗体の産生を誘導し、液性免疫の効果が期待できることを明らかにした。日本人のワクチン接種者111名(未感染105名、既感染6名)を対象にファイザー製ワクチンの有効性について、中和抗体(液性免疫)の保有率を調査した。
独自の迅速抗体測定システム「hiVNT新型コロナ変異株パネル」を活用して、従来株および変異株7種の計8種に対する中和抗体を測定。未感染者でワクチン2回接種した人のうち99%が従来株い対して中和抗体を保有していた。N501Y変異株を有する3つのウイルス株(英国、南アフリカ、ブラジル株)に対しても90~94%の人が中和抗体を保有していた。計9株すべてに中和抗体陽性だった人は全体の約9割(93/105、89%)だった。
高齢者ワクチン接種「7月完了」85.6% 政府が全国調査
政府は5月12日、新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種をめぐる全国1,741市区町村への調査で、全体の85.6%にあたる1,490自治体が、接種を「7月末までに完了できる」と回答したと発表した。これが実現されれば対象の高齢者約3,000万人の接種が済むことになる。
このほか、「8月中」と回答したのは185自治体(全体の10.6%)、「9月以降」と答えたのは66自治体(同3.8%)だった。
デジタル庁 9/1発足 改革関連6法成立 オンライン化推進
デジタル改革関連6法が5月12日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。これにより、改革の”司令塔”となるデジタル庁を9月1日に発足させるほか、マイナンバーカードの普及、押印の廃止を含む行政手続きのオンライン化など改革を加速させる。
政府は、デジタル化が遅れた日本の現状を変える切り札と期待をかけるが、個人情報保護への懸念も出ており、この点がきちんと払拭されない限り理解は広がらず、今後の課題となる。
全国のコロナ9割超が英国変異株に 関西3府県は100%
国立感染症研究所の推計によると、全国で新型コロナウイルスの9割以上が、重症化しやすいとされるN501Y変異を持つ英国由来の変異株に置き換わったことが分かった。東京都などの首都圏では90%を超え、大阪・京都・兵庫ではほぼ100%に達していることも示された。
厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の5月12日の会合で報告された。9日時点で、民間検査会社のスクリーニング(ふるい分け)検査の結果もとに分析した。
看護師105人 大阪・兵庫など医療ひっ迫地域に6月派遣 厚労相
田村厚生労働相は5月11日、新型コロナウイルスの感染拡大により医療提供体制がひっ迫している地域に、公的医療機関から看護師計105人を派遣すると明らかにした。当面は大阪府や兵庫県など関西圏を念頭に、6月1日からの派遣で調整する。
105人のうち25人は集中治療室(ICU)での勤務経験があり、重症患者の対応が可能。80人は軽症・中等症患者の支援にあたる。政府は4月にも全国の大学病院などに看護師派遣を要請し、約70人が協力している。
厚労省は国立病院機構、地域医療機能推進機構(JCHO)、日本赤十字社、労働者健康安全機構の4組織に協力を依頼し、76の医療機関が応じた。