政府の特例貸付1兆円超,リーマンS後の50倍以上

厚生労働省の集計によると、新型コロナコロナ禍による生活困窮世帯に政府が無利子で貸付する特例貸付は「緊急小口資金」と「総合支援資金」の両方を合わせ、同制度が始まった2020年3月から2021年6月19日時点で総額1兆130億円余(速報値)に達したことが分かった。
内訳は緊急小口資金が2,346億円、総合支援資金が7,784億円。両方を使うと最大200万円まで無利子で借りられる。リーマン・ショック後の影響を受けた2009年度の50倍以上に膨らんでいる。巨額の融資残高は失業、休業、雇い止めなどで、収入の減少が長引いていることを如実に物語っている。

景気は「一部で弱さ」6月判断据え置き月例報告

日本政府は6月24日に発表した6月の月例経済報告で「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とし、判断を据え置いた。この表現は2カ月連続。
個人消費は「サービス支出中心に弱い動きとなっている」が据え置かれ、コロナの影響で旅行や外食などのサービス消費が振るわなかった。輸出は「緩やかな増加が続いている」、生産は「持ち直している」の表現を維持。ただ、住宅建設は前月の「おおむね横ばい」から「底堅い動きとなっている」へ上方修正した。

RCEP協定 受諾を閣議決定 日本政府

日本政府は6月25日、東アジアの地域的包括的経済連携(RCEP)協定の受諾を閣議決定した。4月の国会承認を受け、必要な政令改正などを終えた。東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局に受諾書を送る。
RCEPは2020年11月に日中韓やASEANなど15カ国が署名した。ASEAN10カ国と他の5カ国のそれぞれ過半が手続きを終えると60日後に発効する。年内にも発効する可能性がある。参加国のGDPと人口の合計は世界の3割を占める。工業製品を中心に参加国全体で91%の品目で関税を段階的になくす。

日本の世帯平均2.27人,東京「2人割れ」単身化進む

総務省が6月25日発表した2020年国勢調査の集計(速報)で、1世帯当たりの人数の減少が全国で進行している状況が浮き彫りになった。全国平均は2.27人と5年前の前回調査から0.11人減り、東京は1.95人と全国最低を記録、初の「2人割れ」に突入した。以下、北海道2.12人、大阪2.14人、京都2.17人、鹿児島、神奈川2.19人と続いている。これは都市部だけでなく、過疎地を抱える地方など全国で単身世帯が増えている。

社会でどう支える高齢者介護-単身化の進行で
単身世帯の増加が示す社会問題の一つが家族のケアが届かない一人暮らしの高齢者の増加だ。社会としてどう支えていくのか、極めて重い課題を突きつけいる。
日本はこれまで家族による高齢者のケアを期待し、そのことが社会保障費の増大をある程度抑えてきた側面があった。だが、単身世帯の増加で抜本的な見直しを迫られることになる。その結果、社会保障費のさらなる膨張圧力がかかる可能性もある。

家計金融資産1,946兆円,過去最高 日銀発表

日銀が6月25日発表した2021年1~3月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産の残高は3月末時点で前年同月比7.1%増の1,946兆円となり、過去最高を更新した。新型コロナ禍で消費が抑制されたほか、株価上昇が資産を押し上げた。
家計の金融資産の内訳は、現金・預金が5.5%増の1,056兆円。株価の上昇で株式は32.1%増の195兆円。投資信託は33.9%増の84兆円。保険・年金などは1.3%増の533兆円だった。

一時帰国の邦人 空港内で接種へ 成田と羽田

外務省は6月25日、在外邦人への新型コロナウイルスのワクチン接種について、一時帰国した際に成田、羽田両空港内に設置した会場で接種できる支援策を発表した。8月1日から実施する。
外務省が在外邦人に意向を調査した結果、数万人が接種を希望したため、実施を決めた。接種費用は無料。予約は7月中旬以降、専用のホームページで。

アジア4カ国にアストラ製各100万回分提供 日本

日本の外務省は6月25日、国内で製造する英製薬大手アストラゼネカ社製の新型コロナワクチンについて、7月1日以降、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピンの4カ国にそれぞれ約100万回分提供すると発表した。すでに提供している台湾とベトナムにも、各100万回分を追加で提供する。
また、政府は途上国へのワクチン提供の国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ、7月中旬以降、東南・南西アジア、太平洋島嶼国に計約1,100万回分を提供する。

日本総人口1億2,622万人,5年で86万人減 世界11位に

総務省は6月25日、国勢調査の速報値を発表した。2020年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口は1億2,622万6,568人で、2015年の前回調査から約86万8,000人減少した。減少率は0.7%。
国連推計によると、日本の人口は世界で11番目となり、比較可能な1950年以降、初めて上位10カ国から外れた。
1,719市町村(東京23区は1市として集計)の8割超にある1,416市町村で人口が減り、5%以上の大幅減となった市町村も全体の50.9%に達した。
一方で、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は80万8,000人増え、大阪、愛知、滋賀、福岡、沖縄を合わせた9都府県で人口が増加した。中でも東京の人口増加率は、全国で最も高い4.1%となり、東京への「一極集中」が続く現状がうかがわれる。

20年度の労災認定608件で最多 1位はパワハラ

厚生労働省は6月23日、仕事が原因でうつ病などの精神障害を患い、2020年度に労災認定されたのは前年度比99件増の608件だったと発表した。1983年度の統計開始以降、2年連続で最多を更新した。原因別では昨年、認定基準項目に追加された「パワーハラスメント」が99件で最も多かった。自殺(未遂含む)の認定は前年度比7人減の81人。
申請は2051件で過去2番目の多さ。うち女性は999件、48.7%を占め、5年前に比べ約10ポイント増えた。

東京都「感染再拡大の予兆」専門家は危機感

東京五輪開幕まで1カ月を切った中、東京都内で新規感染者の増加傾向が続いている。6月23日に5月28日以来の600人台を記録。都は24日、感染状況を分析するモニタリング会議を開催。専門家からは「感染再拡大(リバウンド)の予兆がみられる」との懸念が示された。
また、会議では都内感染者のうち、インドで最初に確認された「デルタ株」が約8%を占め、前週の約3%から上昇したことも報告された。このまま感染力が1.9倍ともいわれる変異株が増え続けると、「五輪開催期間中に急激な感染拡大・爆発の可能性がある」と危機感を示している。