「大阪・関西万博」脱炭素へ「未来社会の実験場」として世界へ発信

日本政府は12月21日、2050年の温室効果ガスの排出ゼロを目指し、2025年の「大阪・関西万博」の基本方針を、世界に脱炭素社会のあり方を発信する「未来社会の実験場」と位置付けると発表した。同万博がデジタル技術の積極的な活用を促す契機になると指摘し、会場を実際に訪れる体験に加え、世界中から多くの人たちが参加できるよう、リアルとバーチャルを融合させた新しい万博の姿を打ち出す必要性を強調している。

過去最大 一般会計総額106兆円超の令和3年度予算案を閣議決定

日本政府は12月21日の閣議で、一般会計総額が過去最大の106兆6,097億円となる来年度、令和3年度の予算案を決定した。3年連続で100兆円を上回る。
歳出が大幅に膨らんだ背景には①高齢化に伴い「社会保障費」が今年度より1,507億円増えて過去最大の35兆8,421億円となった②「防衛費」が今年度より610億円増えて、過去最大の5兆3,235億円に上った③新型コロナウイルスへの対応に国会の承認を得ずに機動的に使いみちを決められる「予備費」として5兆円を計上した-ことなどが挙げられる。
一方、歳入では税収が新型コロナウイルスの影響による企業業績の悪化などを想定、今年度の当初予算より6兆650億円少ない57兆4,480億円としている。また、新規の国債の発行額は歳入不足を補うための赤字国債が37兆2,560億円、建設国債が6兆3,410億円の合せて43兆5,970億円に上る。これにより、今年度の当初予算の段階から11兆408億円増えている。

全国知事会 休業・時短営業に罰則と補償を 特措法改正を緊急提言へ

全国知事会は12月20日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、対策を徹底するには都道府県の権限を強化する必要があるとして国に対し、特別措置法の速やかな法改正を検討するよう緊急提言する方針を決めた。
感染拡大防止のため休業や時短営業を要請する際、実効性を担保するためには、違反した事業者や店舗などへの罰則とともに、経済的な補償がセットで必要と判断。これらの内容を盛り込み提言を取りまとめ、近く国に対応を求めていく。

「はやぶさ2」小惑星の物質5.4g 目標上回る量採取の成果

萩生田文部科学相は12月18日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)を視察し、「はやぶさ2」のカプセルから採取された小惑星「リュウグウ」のものとみられる物質の量が5.4gと、目標だった0.1gを大幅に上回る量だったことを明らかにした。5.4gあれば今後、様々な分析や研究ができるという。
サンプルの容器は、まだ2つの部分の開封作業が残っていて、どのような物質が採取されているのか注目される。

シンガポール 12/28から経済活動再開のフェーズ3へ移行

シンガポールのリー・シェンロン首相は12月14日、国民に向けたテレビ演説で12月28日から経済活動再開の最終段階フェーズ3に移行すると発表した。これにより私的な集会の人数の上限が現行の5人から8人へと緩和される。
また、リー首相は新型コロナウイルスの予防ワクチンを確保する見通しについて、計画通りに進行すれば国内の全員分のワクチンを2021年第3四半期までに確保できると述べた。

日本「伝統建築工匠の技」無形文化遺産へ登録決定 宮大工・左官など

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の政府間委員会は12月17日、日本の木造建築物を受け継いでいくための宮大工や左官職人などの技術「伝統建築工匠の技」の無形文化遺産への登録を決めた。
対象は①文化財建造物の保存に欠かせない「建造物修理」の技術②屋根を葺(ふ)く技術の一つ「かやぶき」③壁の表面を土や漆喰(しっくい)で仕上げる「左官」④「畳製作」-など17の伝統技術で構成されている。
今回の登録で日本の無形文化遺産は「和食」や「和紙」などに加え22件となる。

EV購入補助金 現行の2倍の80万円に引き上げ 脱炭素へ普及促す

環境省と経済産業省は、電気自動車(EV)の普及を促すため、条件付きで購入時の補助金を現行の2倍となる最大80万円に引き上げる方針を固めた。家庭や事務所の電気契約を再生可能エネルギーでつくった電気ですべて賄うように変更するなどが条件。政府挙げて、温室効果ガスの排出削減へEV、燃料電池車(FCV)などの普及を促す一環。2020年度内の開始を目指す。

米ファイザー 日本でコロナワクチンの製造販売承認申請 国内初

米国の製薬大手ファイザーは12月18日、同社が開発した新型コロナウイルスワクチンの製造販売承認を、日本の厚生労働省に申請したと発表した。日本での新型コロナワクチンの製造販売承認申請は初めてとなる。
ファイザーは先に、日本政府との間で1億2,000万回分(6,000万人分)を供給することで合意している。

11月の訪日外客数99.7%減の5万6,700人 14カ月連続の減

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、11月の訪日外客数は前年同月比97.7%減の5万6,700人となり、14カ月連続で前年同月を下回った。ただ、ごく一部で入工区制限が緩和されたことで実数としては前月から増加した。
増加したのは一部の国と日本との間で「ビジネストラック」や「レジデンストラック」の運用が開始され、10月1日以降、一定条件のもとのビジネス等に限り許可数は限定的ながら、すべての国・地域からの新規入国が可能となったこと、11月1日以降、中国、ベトナム、韓国など11の国・地域で出・入国の緩和措置が取られたため。今後もまだ急速な回復は望めないが、徐々に回復、ビジネス客を主体に増加していくとみられる。

福井・大飯原発設置許可取り消し不服 大阪高裁に国が控訴

福井県の大飯原子力発電所(3号機・4号機)について、国は原発の設置を許可した原子力規制委員会の決定を取り消すとした12月4日の大阪地方裁判所の判決を不服として、12月17日、大阪高等裁判所に控訴した。
国は、あくまでも大飯原発に出した設置許可に問題はなかったと主張して、強行突破を図るのか、周辺の”住民目線”で安全審査をやり直すのか、福島の原発事故を真に教訓とできるのか、裁判の成り行きが注目される。