2月の訪日外客58%減の108万人 5年5カ月ぶり低水準

日本政府観光局(JNTO)の推計によると、2月の訪日外客数は前年同月比58.3%減の108万5,100人だった。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、2014年9月以来5年5カ月ぶりの低水準となった。減少幅がとくに大きかったのは中国と韓国。中国は87.9%減のわずか8万7,200人に、韓国は79.9%減の14万3,900人にとどまった。記録的な落ち込みとなった。新型コロナウイルスの感染拡大は深刻さを増しており、3月はさらに減少する可能性が高い。

イタリアの新型コロナ感染死者3,405人 中国を上回り世界最多に

イタリア当局は3月19日、新型コロナウイルスによる死者が3,405人となったと発表した。この結果、同ウイルスの発生源となった中国の死者数3,245人を上回り、世界最多となった。また、イタリアの同ウイルス感染者数は累計4万1,035人で、中国の感染者数の約半分に達し、欧州ではダントツに多い。

中国政府「アビガン」新型肺炎に改善効果認め診療指針に採用方針

中国政府は3月17日、日本の製薬会社が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」に、新型コロナウイルスによる肺炎の症状などを改善させる効果が認められたとして、重症化を防ぐ治療薬の一つとして、政府の診療指針に正式に採用する方針を明らかにした。
湖北省武漢市の医療機関が行った患者240人を対象にした臨床研究では、「アビガン」を投与した場合は熱が下がるまでの平均日数が2.5日で、投与しなかった場合の4.2日よりも短かったという。また、咳(せき)の症状が緩和されるのも、「アビガン」を投与した場合は平均で4.57日で、投与しなかった場合の5.98日よりも短く、明らかな副作用もみられなかったと指摘している。
一方、広東省深圳市の医療機関が行った患者80人を対象にした臨床研究では、「アビガン」を投与した患者ではウイルス検査の結果が、陽性から陰性になるまでの日数の中央値が4日だったのに対し、投与しなかった患者では11日だったという。

G7が緊急テレビ会議 治療薬開発などで結束 東京五輪開催に支持

G7(主要7カ国)首脳による緊急テレビ会議が日本時間の3月16日午後11時から1時間近くにわたり行われた。この中で安倍首相は、新型コロナウイルス治療薬の開発を加速し、世界経済への影響を食い止めるため力強いメッセージを出すなど、G7の結束を呼び掛けた。また、東京オリンピック・パラリンピックの完全な形での開催を目指す考えを示し、各国首脳の支持を得たという。
G7首脳のテレビ会議は初めてで、今後も必要に応じてテレビ会議を実施することも確認した。

中国・武漢市の企業の操業再開は3/21以降に先送り

中国湖北省政府はこのほど、武漢市における企業の操業再開を3月21日以降とする通達を発表した。湖北省政府は直近の発表では、省内企業の操業再開時期を3月11日以降としていたが、今回の通達でさらに10日間先送りした。ただ、これも無制限ではない。同通達では公共性の高い武漢市内の医療機器・医薬品・衛生用品等の製造・販売はじめ、電気・ガス・水道・通信等の公共性の高い事業、市民生活の必要不可欠な野菜・果物・肉などの農産品の生産、スーパーマーケット・物流・宅配といった業種については、創業の再開を認めるとしている。

日本国内感染者804人 クルーズ船など含め1,530人 死者31人

全国各地の自治体や厚生労働省のまとめによると、新型コロナウイルス感染者は3月16日午前1時現在804人となった。このほかクルーズ船の乗員・乗客が712人、チャーター機で帰国した人が14人で合わせて1,530人となった。このうち死亡したのは、国内で感染した人が24人、クルーズ船の乗船者7人の31人。

NYダウ 過去最高の1985ドル高 5日連続1000ドル超の乱高下

ニューヨーク証券取引所は3月13日、3日ぶりに反発し、ダウ工業株30種平均は前日比1985ドル(9.4%)高の2万3185ドル62セントで取引を終えた。上げ幅は過去最大となった。トランプ大統領が新型コロナウイルス対策で、「国家非常事態」を宣言し、最大500億ドル(約5兆4000億円)連邦政府の予算を活用し、検査や治療の態勢を強化することを表明するなど政策を総動員する姿勢を示したことで、投資家の先行き景気に対する不安心理が後退したもの。こうした要因から、ニューヨーク市場は5日連続1000ドル超の乱高下となった。

東日本大震災から9年ぶり JR常磐線全線運転再開

一部区間で不通だったJR常磐線が3月14日、全線で運転を再開した。2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から9年、順次復旧していたが福島県の富岡-浪江間(20.8km)で不通となっていた。運転再開区間の一部は、放射線量が高い「帰還困難区域」にあり、復旧作業が難航していた。除染作業がようやく完了し、全線がつながった。

NY市場 過去最大の下げ幅 欧州からの外国人入国禁止発表で

米国トランプ大統領が3月11日夜、新型コロナウイルスの感染拡大阻止のため、英国を除く欧州からの外国人の入国を禁止するとの発表を受けて、ニューヨーク証券取引所で欧米株が12日、歴史的な急落に見舞われた。経済活動が世界で収縮する懸念が強まったためだ。米ダウ工業株30種平均の終値は、前日比2352ドル60セント安い2万1200ドル62セントと下落幅は過去最大となった。
ダウ平均は下落率(9.99%)でみても、リーマン・ショック時の2008年10月15日(7.87%)を上回り、1987年10月19日のブラックマンデー(22.61%)以来の大きさとなった。