新型コロナウイルスの影響で4、5月に外来患者が激減した医療機関が少なくなく、経営面への影響が懸念される事態となっている。
医療機関の収入、患者を診察した対価として得られる「診療報酬」は、診察から2カ月遅れで支払われる。4月以降、激減した外来患者の影響が出てくるのは今月からだ。地域ごと、医療機関ごとに幅はあるが、外来患者の数が前年同月比で4月はおよそ40~50%、5月はおよそ30~40%それぞれ減少している。これは新型コロナの感染リスクを考え、意識的に受診を控える人が相次いだほか、医療機関側が受け入れを制限したためだ。
コロナの第2波が懸念される中、医療の中核を担う医療機関の経営が立ち行かなくなる事態は避けなければならない。”医療崩壊”を避けるには医療機関への財政支援も急務だ。
コロナ禍で衣料品在庫は前年同期の4倍 大阪・処分代行会社
大阪市内の衣料品在庫の処分代行会社などによると、新型コロナウイルス感染拡大で販売時期を失い、売れ残った冬物および春物の大量の衣料品在庫がいま、在庫品の処分を代行する事業者の倉庫へ次々に運び込まれている。大阪市西成区のある会社では、3月から増え始め、その量はこれまでに400万点、前年の同時期に比べ4倍に上る。
アパレル会社の多くは緊急事態宣言で休業を余儀なくされ、大量の在庫を抱えている。持ち越す在庫を減らしておきたいことと、中には営業が悪化して倒産した会社の商品を引き取るケースも加わるためだ。
アパレル業界では通常、ブランド価値を守るため売れ残った商品は廃棄するケースが多い。半端な量ではないとなれば廃棄するにも経費がかかる。そこで、ブランド名が入ったタグを取り除くことなどを条件に、処分代行業者が定価の1割程度の価格で買い取り、処分を請け負うというわけだ。自社の店舗やネットで”理由(わけ)あり商品”として販売している。中には東南アジアに自社店舗を開設、支持され人気となっているケースもある。
中国の自動車1~5月累計生産778万7,000台で24.1%減も回復顕著
全国の海水浴場 コロナ感染防止対策で約3割が今夏開設せず
中国 香港に治安維持機関設置へ 「国家安全法」が全法律に優先
中国政府が香港への騰勢を強める「香港国家安全法」の概要が6月20日、判明した。国営の中国中央テレビ、新華社などによると、法案は6章66条で構成。国家の安全に危害を加える犯罪行為として①国家の分裂②政権の転覆③テロ活動④外国勢力と結託して国家の安全に危害を加える行為-の4種類を規定。
中国は香港に治安維持に関わる機関を新設して監督・指導する。香港の他の法律と矛盾する場合は、国家安全法が優先される規定も盛り込む。この「香港の中国化」により、香港の「一国二制度」は完全に崩壊する。「香港国家安全維持法案」は継続審議され、7月上旬までに成立する可能性が高い。国家安全法は香港の立法会(議会)の審議を経ずに施行される見通し。
新型コロナ 世界の感染者871万人 死者46万人 ブラジル100万人超
米国ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによると、日本時間6月21日午前3時時点で、新型コロナウイルスの世界全体の感染者は871万6,985人となり、1日15万人前後の増加ペースへ加速した状態が続いている。また、死者は世界全体で46万1,037人となり、2日間で1万人前後が亡くなる状況が続いている。
感染者の国別内訳は最も多い米国が223万8,065人、ブラジルが103万2,913人、ロシアが57万6,162人、インドが39万5,048人、英国30万4,580人となっている。死者の国別内訳は最も多い米国が11万1,037人、ブラジルが4万8,954人、英国4万2,674人、イタリアが3万4,610人、フランス2万9,620人と続いている。
中小企業のテレワーク実施率は67% 緊急事態宣言後急増 東商調査
WHO「パンデミックが加速 1日の感染者最多の15万人超」
パキスタン 2019/2020年度は68年ぶりマイナス成長 コロナ禍で
パキスタン政府はこのほど、2019/2020年度(2019年7月~2020年6月)の経済白書を発表した。同白書によると、同年度のパキスタンの実質GDP成長率(暫定値)は、マイナス0.4%に落ち込んだ。同国がマイナス成長となるのは1951/1952年度以来68年ぶり。
産業別では最も大きく落ち込んだのは工業で、前年度比2.6%減(前年度比0.3ポイント減)とマイナス成長がさらに悪化した。工業は労働人口の16%、実質GDP(粗付加価値の合計額)の19.3%を占める。コロナ禍で3月にロックダウンなどが実施され、工場の生産が停止したことが響いた。
実質GDPの61.4%を占めるサービス業も0.6%減(同4.4ポイント減)と縮小した。以下、運輸・通信業が7.1%減、卸小売業が3.4%減、金融・保険業が0.8%増などと振るわなかった。わずかに農業が2.7%増(同2.1ポイント増)のプラス成長となった。
支出をみると、実質GDPの78.8%を占める個人消費支出が3.7%減と落ち込み、政府消費支出お10.3%増はあったものの、全体をプラス成長に引き戻すまでには至らなかった。