ワインの天然醸造にブドウ皮の常在菌が大きな役割 大学研究G

奈良先端科学技術大学院大学と京都大学の研究グループは6月20日、ワインを天然醸造する際にブドウの皮にいる常在菌が大きな役割を果たしているとする研究成果を発表した。グループは酵母による発酵の条件を調べようと、ブドウの皮の表面にいる常在菌に着目。この常在菌と酵母をブドウの表面につけて発酵させる実験を行った。その結果、菌を加えた場合は、酵母だけの場合に比べて発酵する速度が大幅に速まったという。ワインができるメカニズムの解明につながる成果として注目される。

モスフードサービス バイオマスプラレジン用コメを本格生産へ

モスバーガーを展開するモスフードサービス(本社:東京都品川区)は6月20日、CO2削減の取り組みの一環として、国産非食用米由来のバイオマスプラスチックレジン用コメを熊本で本格的に生産開始すると発表した。
同社は2022年8月から、バイオマスプラスチック「ライスレジン(R)」を25%配合したテイクアウト用スプーン、フォークを導入。今回同用途で使用する非食用米の生産を、同社が出資する農地所有適格法人、モスファーム熊本(所在地:熊本県八代市)で本格的に開始することになった。今季の生産量は40トン程度の予定。これはモスバーガーが全店で使用する環境対応スプーン、フォーク1年分を賄うことができる量という。

豊田合成 パウデックと横型GaNパワー半導体を共同開発

豊田合成(本社:愛知県清須市)は6月20日、パウデックと共同で太陽光発電などに応用される電力変換装置の性能向上につながる、高性能な横型GaNパワー半導体を開発したと発表した。これにより、世界トップクラスとなる800Vで100万分の1秒でのオン・オフ動作を確認したとしている。今後安定した連続動作と耐久品質の確保を通じて、早期実用化を目指す。

ヤナセ, 九州電力 EV普及促進で業務提携 充電環境構築,整備 

ヤナセ(本社:東京都港区)と九州電力(本店:福岡市)は6月20日、電気自動車(EV)の普及促進に向け戸建て住宅および集合住宅の居住する個人顧客へのEV提案、情報発信に取り組むことを目的とした業務提携契約を締結したと発表した。個人顧客のEV普及のカギとなる充電環境構築、整備に注力する。

コニカミノルタ マレーシアの複合機生産全拠点で100%再エネ達成

コニカミノルタ(本社:東京都千代田区)は6月20日、マレーシアの複合機生産拠点のコニカミノルタビジネステクノロジーズ(マレーシア)社(所在地:マレーシア・マラッカ州、以下、BMMY)で、使用電力の100%が再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来となったと発表した。
BMMYは2023年3月より、太陽光発電システム(設置面積1万7,059㎡、発電容量3.4MW)を導入し、電気使用量の約20%を太陽光発電で賄うことになっている。この結果、コニカミノルタグループの海外複合機生産全拠点で100%再エネを達成したとしている。
このほか、中国の複合機生産拠点では2019年と2020年に、コニカミノルタビジネステクノロジーズ(東莞)社、コニカミノルタビジネステクノロジーズ(無錫)社がそれぞれ再エネ100%を達成している。

スカイドライブ スズキと空飛ぶクルマ製造で基本合意

空飛ぶクルマの開発を進めるスタートアップ企業、スカイドライブ(本社:愛知県豊田市)は6月19日、スズキ(本社:静岡県浜松市)と製造に向けて基本合意したと発表した。スズキグループの工場を活用し、2024年春の製造ラインの稼働開始を目指す。また、スカイドライブは電動の垂直離着陸航空機、eVTOL(イーブイトール)の製造を目的とする完全子会社を設立する。

次世代ペロブスカイト太陽電池の実証事業 東京都 開発2社と協定

東京都は6月19日、次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の実用化に向け、開発企業2社と実証事業に関する協定を締結したと発表した。都が場所を提供し、2社が発電性能の検証などを行う。この2社はペロブスカイト太陽電池の開発を進める、京都大学発スタートアップのエネコートテクノロジーズ(所在地:京都府)と、センサーを開発するマクニカ(所在地:横浜市)。
ペロブスカイト太陽電池は薄く、折り曲げることも可能で、重装備の設備が不要で設置場所の自由度も高い簡易型電池。実証事業では都庁舎の一室に同太陽電池を活用したIoT(モノのインターネット)センサー5台を設置予定。2024年5月31日まで実施し、結果を公表する予定。

首都圏の5月新築マンション32.5%高の8,068万円 発売戸数は2割減

不動産経済研究所のまとめによると、5月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの1戸あたり平均販売価格は前年同月比32.5%高の8,068万円だった。5月単月としては過去最高となった。また、東京23区の平均価格は同47.9%高の1億1,475万円で、富裕層をターゲットとした1億円以上の高額物件が4割弱を占めた。
一方、5月首都圏のマンション発売戸数は前年同月比21.5%減の1,936戸だった。東京23区は7.5%増えたが、東京都下(73.6%減)、神奈川県(38.4%減)、埼玉県(56.5%減)と大幅に減少した。

WTO 日本の勝訴認める 中国の日本製ステンレス製品への課税で

世界貿易機関(WTO)は6月20日、日本製のステンレス製品に対する中国の反ダンピング(不当廉売)課税を巡って日本が提訴している問題について、日本の勝訴を認める報告書を公表した。中国は上訴する姿勢は示しておらず、WTOの勧告に従い、措置を是正する義務を負う。
中国政府は反ダンピング措置として、自動車や家電の材料となる3種類のステンレス素材に、2019年7月から18.1〜29%の関税をかけていた。

三菱化工機がEPC担った台湾・台中市の過酸化水素製造設備が竣工

三菱化工機(本社:川崎市)は6月19日、同社がEPC(設計・調達・建設)を担った三菱ガス化学(本社:東京都千代田区)の台湾子会社、巨菱精密化学股份有限公司(所在地:台湾・台中市、以下、MPCT)の過酸化水素製造設備の竣工式が6月2日執り行われたと発表した。MPCTは2000年に台湾に設立された半導体、電子材料向け精密化学品の製造企業。超純過水、各種特殊薬剤、化学研磨液などの製造を手掛けている。